終末時計でも手薄な!?ゲノムテクノロジー ~盲目にならない~

 

黄 行許 教授:
『 一般の人には私の研究を到底理解出来ません! 酷い事をやっていると思われてしまいます! もう、これ以上話したくありません! これはとてもデリケートな問題です! 私を困らせないで下さい! 技術的な質問ならともかく、デリケートな所には踏み込みたくありません! 私を巻き込まないで下さい! 一般の人は私の研究を理解出来ません! きっと誤解するでしょう! 』

 

そして、ここは番組からではなく私個人としてのコメントですが、原爆を生み出した多くの科学者達も、その技術がどのように使われるかに《 目を背けていた 》事を後悔していたのは《 今では周知の事実 》です、、、

 

では、「推奨派」側の最後の紹介はオックスフォード上廣応用倫理センター所長のジュリアン・サヴァレスキュ教授のコメントになります。

ジュリアン・サヴァレスキュ教授:
『 どうしてある人は才能を持って生まれ、ある人は不利な状況で生まれなければならないのか。 全ての人が遺伝的に適切な人生のスタートを切り、技術を活かして自分の人生を設計していく力を持つべきです。 運任せにするのではなく、自分達で決めるのです。 私達は人類史上初めて、世界を変えるだけでなく、自分自身を変える技術を手にするのです。 』

 

ここ迄は「推奨派」側の「現場」の実状(実態)と声を眺めて来ましたが、ここからは「慎重派」側の声などを見ていきます!

当然ながら「慎重派」側では《 不作為(研究や開発に取り組まない) 》が特徴でもある為に、「(研究などの)現場」はほとんど存在せず《 洞察(思考など) 》という点がクローズアップされるので、番組でも少数しか紹介されていませんでしたが、その中から2人の声を取り上げてみます!

 

 

【 リスクを訴える為の「馬とうウイルス」の創造 】

カナダのエドモントンにあるアルバータ大学のデイビッド・エバンス教授は、ゲノムテクノロジーのリスクを実際に示す為の(顕在化させ世や社会に問う為の)試みをします。

それはゲノムを一から合成する事により「馬とうウイルス」という感染力の強いウイルスを人工的に作り出す事に《 敢えて 》成功させた事です。

それに関して次のようにコメントしています。

デイビッド・エバンス教授:
『 人々が危険に気づいていない事を心配しています。 この技術で将来あらゆるものを作る事が可能になります。 甘い考えで作られたものが最悪の事態を招いてしまうのではないか。 油断すると新型コロナと同じような危機に直面する事になるでしょう。 』

 

最後はユネスコ(国連教育科学文化機関)の国際生命倫理委員会のエルヴェ・シュネイベス議長のコメントになります。

エルヴェ・シュネイベス議長:
『 私達は、もはやテクノロジーの単なる消費者ではいられません。 2030年に何が起きるかは私達自身に掛かっています。 私達は驚くべき可能性と同時に、とてつもなく大きな責任も背負っているのです。 』

 

 

では、この番組からの紹介は(ひとまず)ここで終了し、改めて締め括りの箇所で、番組内でダウン症の娘さんがいる母親の発言を《 問い掛け 》として後に紹介してみます!

 

【 優生保護・優生学思想と旧優生保護法 】

現在迄のゲノムテクノロジーの活用は主に医療分野で多くなっていますが、特に先程の「デザイナーベビー」に関しては様々な意見や見方や考え方が噴出する事でしょう。

ここに現れてくる問題とは生まれながらにして《 遺伝子における格差や差別 》などを生じさせる怖れ(可能性)であったり、《 優生保護(優生学)思想 》の復活という懸念も同時に孕(はら)んでいます。

日本でも以前には「旧優生保護法」の元に強制不妊にさせたり、《 逆に 》子どもを産ませないようにしていたという《 矛盾 》も実際に起こっていました。

そして、このような源は《 安楽死 》にも共通して来ます、、、