終末時計でも手薄な!?ゲノムテクノロジー ~盲目にならない~

ここからは2021年(番組放映)当時の実状(実態)を「推奨派」側から少し眺めます!

 

【 自然界には存在し得ないマウスの誕生 】

中国蘇州にあるバイオ企業のサイヤジェン社が作成したマウスに世界中から注文が相次ぎ売れていました。

通常のマウスは新型コロナウイルスに感染しないが、人間の遺伝子を組み込んだマウスは感染する事から一部の遺伝子を人間のものに改造したマウスを誕生させ、新型コロナウイルスの治療薬やワクチン等の開発の為の実験材料にされます。

 

同社では他にもマウスにクラゲの遺伝子を組み込み、紫外線を当てると緑色に光るマウスの作成など、顧客の要望に合わせ新しい特徴を持つマウスを次々と生み出しています、、、

つまり同社では、

 

自然界には存在し得ないマウスを続々と誕生させている・・・

 

という事です。

そして、同社の韓 藍青 社長のコメントが次のものです。

韓 藍青 社長:
『 我々にとって生命とはデジタル情報の集合体なのです。 私達はあらゆる生命のゲノム編集を可能にする技術を手にしました。 創造の可能性は無限に広がっています。 』

 

 

【 医療分野のゲノムテクノロジー 】

中国に杭州市腫瘤医院があり、ここはゲノムテクノロジーを用いた最先端の治療を行うガン専門病院です。

他の病院で治療出来ないと言われた末期ガン患者等が年間16万人も訪れ、同時にこの治療は中国以外の国でも進められています。

 

この治療のメカニズムは、患者さんの体内では「キラーT細胞(免疫細胞)」がガン細胞と戦っているが故に、キラーT細胞の遺伝情報、つまりゲノムを操作しガン細胞への攻撃力を高め、増殖を抑え込もうとするものです。

そして、病院の呉 式琇 院長のコメントが次のものになります。

呉 式琇 院長:
『 私達は遺伝子を操作する技術を使って患者の体がガン細胞と戦う力を高めています。 中国ではゲノムテクノロジーにより新しい治療が次々と生まれ、医療を変え始めています。 1日でも長く生きたければ、この新しい治療方法を試す価値があるでしょう。 』

 

【 キメラの誕生 】

中国の雲南省に世界最大級の霊長類研究所である霊長類生物医学重点実験室があり、ここでは実験用に4千頭のサルが飼育されていて、ゲノム編集を使った研究が繰り返されています。

では最初に、研究所で働いている昆明理工大学の季 維智 特別教授のコメントです。

季 維智 特別教授:
『 我々は人とサルの細胞が混ざったキメラを作りました。 まだ細胞実験の段階で実際に誕生したわけではないですが、遺伝的に近い生物のキメラをどのように作るのか、その仕組みを研究しています。 人間と他の生物のキメラを作る理由、それは将来、他の生物の体の中で人間の臓器を作り出す為です。 これは移植用の臓器不足を補う技術なのです。 』

 

 

ところで、「キメラ」という言葉が出て来ましたが、公益社団法人 日本薬学会のHPでは次の定義がされています。

【 キマイラ(キメラ)は、ギリシャ神話に登場するライオンの頭、山羊の身体、蛇の尻尾を持つ怪物である。 このことより、2つの違った遺伝子、または2つの違った遺伝子の一部が融合した遺伝子をキメラ遺伝子と呼ぶ。 】

 

キメラは細胞レベルでの研究は認められていますが、実際に人と他の生物のキメラを誕生させる事は世界中の多くの国で《 今の所は 》禁止されています、、、

 

【 「真の動機」を推し量る 】

上海科技大学の黄 行許 教授へのインタビューが行われますが、黄 行許 教授は骨格などに異常が生じ、高い確率で子どもにもその遺伝子が受け継がれると言われている先天性のマルファン症候群を研究しています。

そして、受精卵の段階でゲノム編集を行えば発症を防げると考えているそうです。

黄 行許 教授:
『 小学生の頃、幼なじみの女の子に遺伝病がありました。 それは神様が決めた事だと一言で片付けられるかもしれませんが、患者にとっては公平では無いと思ってしまうのです。 倫理の事は倫理学者にお任せすべきだと思います。 彼らの知恵で問題の解決にあたるのです。 私のような生物学者は技術的な事を研究するのが仕事です。 』

 

と、ここ迄は笑顔でインタビューに答えてくれていた黄 行許 教授ですが、《 リスク 》について質問をされた所、いきなり語気を強め様相が変化していきます、、、