星の王子さまの「一番大切なことは、目に見えない。」の真意とは

『 (中略) 向こうに麦畑が見えるだろう? 僕はパンを食べない。 だから小麦にはなんの用もない。 麦畑を見ても、心に浮かぶものもない。 それはさびしいことだ! でもきみは、金色の髪をしている。 そのきみが僕をなつかせてくれたら、すてきだろうなあ! 金色に輝く小麦を見ただけで、僕はきみを思い出すようになる。 麦畑をわたっていく風の音まで、好きになる・・・・・・ 』

 

そして、キツネは王子さまになつかせて欲しいと話しますが、嬉しいながらも王子さまは友達を見つけ、知らなきゃいけない事もたくさんあるからと言葉を続けると、キツネは話します、、、

『 なつかせたもの、絆をむすんだものしか、本当に知ることは出来ないよ。 人間たちはもう時間がなくなりすぎて、本当には何も知ることが出来ないでいる。 なにもかも出来上がった品を、店で買う。 でも友達を売ってる店なんてないから、人間たちにはもう友達がいない。 きみも友達が欲しいなら、僕をなつかせて! 』

 

王子さまは、どうすればいいの?と聞くと、キツネは「がまん強くなること」と答えました。

そして、他にも色々と距離が近づく方法をキツネに教えて貰いながら王子さまはキツネをなつかせる事が出来ましたが、別れの時がやって来ます。
キツネは泣きそうだと話し、王子さまはキツネに嫌な思いなどさせたくないけれど、そもそもがなつかせてとキツネが頼んだのだし、「なつかせて、いいことなんてなかった!」と王子さまが話すと、キツネは答えます、、、

『 あったよ。 麦色の畑だ。 もう一度、バラたちに会いに行ってごらん。 きみのバラが、この世に一輪だけだってことがわかるから。 それから僕に、さよならを言いに来て。 そうしたらきみへの贈り物に、秘密をひとつ、教えてあげよう 』

 

そして、王子さまはバラたちに逢いに行き、故郷の星の一輪のバラだけが自分にとって大切であり、その一輪のバラですら他の人から見れば、その他大勢のバラと同じにしか見えないという事をバラたちに話しました。

そして、王子さまは、さようならを言う為にキツネの所に戻りました。
そして、キツネも王子さまにさようならを言うと共に、

『 じゃあ秘密を教えるよ。 とても簡単なことだ。 物事はね、心で見なくてはよく見えない。 一番大切なことは、目に見えない。 きみのバラをかけがえのないものにしたのは、きみが、バラの為に費やした時間だったんだ。 人間たちは、こういう真理を忘れてしまった。 でも、きみは忘れちゃいけない。 きみは、なつかせたもの、絆を結んだものには、永遠に責任をもつんだ。 きみは、きみのバラに、責任がある・・・・・・ 』

 

王子さまは、キツネの言葉を忘れないでいる為に繰り返しました、、、

このように王子さまはパイロットに自分の旅の話をして上げていましたが、不時着してからもう一週間も過ぎ、飛行機の修理も終わらず、飲み水もなくなってしまった事から、パイロットは王子さまのキツネの話にそれ以上は耳を傾ける余裕も持てない心身の状態になっていました。

パイロットと王子さまは井戸を探しに二人で砂漠に歩み出しました、、、

 

夜になり、疲れからかパイロットも夢の最中(さなか)でもあるかのような、まどろんだような状態の中で、王子さまも疲労を感じている中で、王子さまは独り言のように話し始めます、、、

【 水は、心にもいいのかもしれないね・・・・・・ 星々が美しいのは、ここからは見えない花が、どこかで一輪咲いてるからだね・・・・・・ 砂漠って、美しいね・・・・・・ 砂漠が美しいのは、どこかに井戸を、ひとつ隠しているからだね・・・・・・ 】

 

パイロットは「家や、星や、砂漠を美しくしているものは、目に見えないね!」と話すと、王子さまは「うれしい。 きみが、僕のキツネと同じ考えで」とだけ話し眠ってしまいました。

パイロットは、王子さまが今にも壊れてしまいそうな宝物のような気がしつつ、王子さまをそっと抱き上げ歩き続け、王子さまの話してくれた言葉を思いつつ、夜明けに井戸を見つける事が出来ました。

そして、その井戸は砂漠ではあり得ない、全てが揃っている井戸でした。
パイロットは王子さまに水を飲ませてやると、

【 地球の人たちって、ひとつの庭園に、五千もバラを植えてるよ・・・・・・ それなのに、探しているものを見つけられない・・・・・・ だけどそれは、たった一輪のバラや、ほんの少しの水のなかに、あるのかもしれないよね・・・・・・ でも目では見えないんだ。 心で探さなくちゃ 】

 

と王子さまは話し、明日が地球に落ちて来たちょうど一年目の日である事を告げ、ここで待ってるから明日の夕方にまた来てね、、、と別れました。