星の王子さまの「一番大切なことは、目に見えない。」の真意とは

一つに、どこよりも小さな星で、そこにはガス灯が一本と、それに火を灯(とも)す点灯人が一人いるだけでした。
王子さまはこの人もおかしな人だと思う一方、点灯人がしている仕事には意味があり、役立っていると思った事から、これ迄の旅で出逢った人々よりはおかしくないと思いました。

点灯人は、ただ点けて消すという指示が出るからしているだけだと答えますが、年々星の自転が速くなり休む暇がなくなってしまっていました。
点灯人がこの世で好きな事は眠ることだと話すのに対し、王子さまは同情を感じ得ながらも、

【 あの人は、ほかのどの人にも、見くだされるんだろうな。 王さまにも、大物気取りにも、酒びたりにも、実業家にも。 でも僕には、ばかげて見えないのはあの人だけだ。 それはきっとあの人が、自分自身以外のことを一生懸命やっているからだろう 】

王子さまは、そう思うのでした、、、

 

一つに、ひどく大きな本を書いているおじいさんが住んでいる星では、自分は地理学者であると名乗るのでした。
しかし、自分で現地に赴く事はせず、訪れてくる探検家たちの人となりを調べ、しっかりした人物であると判断したならば、その探検家から得た情報を本に書いていくのです。

そして、おじいさんは王子さまの星の事を聞き出しますが、王子さまは花が一輪咲いている事を教えてあげますが、おじいさんは花は「はかない(儚い)」から書かないと答え、王子さまは「はかない」の意味が分からず再度質問をすると、「《 ほどなく消えるおそれがある 》ということだ」とおじいさんは答えました。

王子さまは自分の故郷の星に少々気まずい関係のままで、たった一人(一輪)で残して来た花の事を思った所、

【 このときはじめて、王子さまの胸に、痛いような思いがわきあがってきた 】

しかし、王子さまはすぐに気持ちを切り替え、地理学者から地球を訪ねなさいと言われ、花の事を思いながら地球を目指す事にしました、、、

 

こうして地球にやって来た王子さまですが、地球という星はとても大きく、もの凄い人の数が暮らしていながらも、最初に降り立ったのがアフリカの砂漠であり、誰も人が見当たらない事に王子さまは不安を覚えました。

王子さまは最初にヘビに出逢い、そのヘビと色々な話をしながら、

『 かわいそうになあ、こんなにか弱いきみが、冷たい岩だらけの地球に来て。 いつか、もし故郷の星にどうしても帰りたくなったら、おれが力を貸そう。 おれが・・・・・・ 』

と話すヘビに向け、王子さまは、うん!わかったよ、と答え、以後二人は黙りこむのでした、、、

 

そして、王子さまは砂漠を歩き続け、なんでもない花と出逢い、こだましか返さない高い山と出逢い、その後も長い間歩き続け、全ての人間たちの所へ繋がっている一本の道をとうとう見つけ進んで行くと、そこはバラの花が咲く庭園でした。

そこには、王子さまの故郷の星に一緒にいた、先ほど胸に痛い思いが湧き上がって来た花と、とてもよく似ているたくさんの花たちがいました。
故郷の星の花は「自分のような花はこの世に一輪しかない」と話していたので、王子さまは驚きと共に、色々な事を思い考えていたら様々な感情が溢れ出て、草の上につっぷして泣きました。

そんな時に現れたのがキツネでした、、、

 

王子さまはとても悲しいから僕と遊んで欲しいとキツネに話しますが、「なついていないから」王子さまとは遊べない、とキツネは答えます。
王子さまはしばらく考えてから、「なつく」ってどういう事?とキツネに質問します。

するとキツネは答え始めます、、、

『 ずいぶん忘れられてしまっていることだ。 それはね《 絆を結ぶ 》ということだよ・・・・・・ (中略) きみはまだ、僕にとっては、他の十万の男の子となにも変わらない男の子だ。 だから僕は、別にきみがいなくてもいい。 きみも、別に僕がいなくてもいい。 きみにとっても僕は、他の十万のキツネとなんの変わりもない。 でも、もしきみが僕をなつかせたら、僕らは互いに、なくてはならない存在になる。 きみは僕にとって、世界でひとりだけの人になる。 僕もきみにとって、世界で一匹だけのキツネになる・・・・・・ 』

 

そして、二人は会話を続けながら、更にキツネは話します、、、