この物語は、飛行機が故障してサハラ砂漠に不時着してしまったパイロットが小さな男の子と出逢い、、、そう、その子が星の王子さまであり、、、二人の《 コミュニケーション 》が紡ぎ出されていくという内容です。
そして、物語の冒頭部分では、パイロットが六歳の時の《 自分自身を振り返り 》、
〖 おとなというものは、自分たちだけではけっしてなにもわからないから、子どもはいつもいつも説明しなくてはならず、まったくいやになる・・・・・・ 〗
という《 心情の吐露 》がされています。
そして、次第に王子さまはパイロットに《 心を許して 》自分の故郷の星はとても小さい(私達の感覚では一軒の家よりほんの少し大きいくらい)事や、これ迄して来た旅の話などを語り始めていきます、、、
一つに、まっ赤な顔のおじさんがいる星では、そのおじさんは一度も花の香りを嗅いだ事もなく、星も見た事がなく、誰も愛した事もなく、足し算以外は何もした事がなく、
『 大事なことで忙しい! 私は有能な人間だから! 』
と、そのおじさんがふんぞり返って話していた事などを教えてくれ、
【 もしも誰かが、何百万も何百万もある星のうち、たったひとつに咲いている花を愛していたら、その人は星空を見つめるだけで幸せになれる 】
などを王子さまは話しました、、、
一つに、王さまが住んでいた星では、訪れた王子さまに色々と命じながらも、性格のいい王さまであった事から、無茶な命令は出さなかった一方、年寄りのネズミが一匹いるだけで治める民もいない中、王さまはこの星の絶対君主に留まらず、全てが自分に従う宇宙の君主であると話すのでした。
そこで王子さまは王さまに夕陽を見たいので太陽に沈むように命令を出す事をお願いした所、
『 夕陽は、見せよう。 予が命令しよう。 だが予は、統治のコツとして、状況が好ましくなるまで待つのだ。 (中略) 今夜の、だいたい七時四十分である! そうすれば、太陽も予に従うことが、よくわかるであろう 』
と王子さまに話すのです。
そして、王子さまがもう行かなくちゃと話すと、王さまは、ならぬ!と命じますが、王子さまは僕に出発の命令を出せば良いと伝えた事で、王子さまは無事に次の星に旅立つ事が出来ました。
【 おとなって変わってるな 】
王子さまは、そう呟(つぶや)くのでした、、、
一つに、常に自分が一番である事を称賛して貰えねば気が済まない大物気取りの男が住んでいる星がありました。
しかし、この星にはこの男一人しか住んでおらず、通りかかる人もいない中、王子さまに自分を称賛して欲しいと男はお願いし、王子さまは称賛してあげました。
【 おとなって、やっぱり変だ 】
王子さまは、素直にそう思いました、、、
一つに、酒びたりの男が住んでいる星では、なぜ飲んでいるの?と王子さまが質問すると、恥じているのを忘れるためだ、と男は答えました。
何を恥じているの?と王子さまが再度質問すると、飲む事を恥じているのだ、と男は答えました。
【 おとなって、やっぱりすごく変だ 】
王子さまは、ここでもそう思うのでした、、、
一つに、自分は全ての星の持ち主だと話す実業家が住んでいる星では、その全ての星の数を数えるのに明け暮れており、星を持っているとなんの役に立つの?と王子さまに聞かれると、金持ちでいられるからだと答え、金持ちだとなんの役に立つの?と聞かれると、他の星を買えるからだ、と答えるのでした。
終いには、星は誰のものでもないと王子さまに言われると、じゃあ私のものだと実業家は答え、更に星の数を紙切れに書いて銀行に預ける事が出来ると答える始末になってしまいますが、あなたは星の役に立っていないと王子さまに言われ、実業家は口を噤(つぐ)んでしまいました。
【 おとなってやっぱり、まったくどうかしてるな 】
王子さまは、やはり素直にそう思うのでした、、、