真の動機が問われるとは ~(人工妊娠)中絶と精子提供(精子取引)から~

すると、未婚の女性の中絶に関して、

 

・ どのような状況でも相手の同意を求める → 33%(89人)
・ 状況により相手の同意を求めない事もある → 62%(171人)
・ どのような状況でも相手の同意を求めない → 5%(14人)

 

との結果となり、相手の同意を求めるとの回答をした33%の医師の方々がその《 理由 》として挙げたのが、

 

・ 母体保護法をそのように解釈しているため → 71%
・ 訴訟のリスクを避けるため → 43%

 

と、この二つが(圧倒的多数で)上位を占める事となりました。

そして、このアンケートにお答えになっていた産婦人科医の杉山 太朗 氏は女性が未婚の場合には法的に相手の男性の同意が不要である事を《 理解 》しつつも(知っていつつも)、可能な限り同意を求めているご自身の《 スタンス(姿勢) 》について、次の理由を述べておられました。

杉山医師:
『 クリニックにとって訴訟は一番恐いものになりますので、如何に問題が起きないようにやるか、それを中心に考えてしまう。
  おかしいなと思いながらも書類として成り立つようにする意味で、(相手の)サインを何とか貰うようにしています。 』

 

そして、厚生労働省によると相手の男性の同意が不要なケースとしては未婚の場合に限らず、夫のDVなどで婚姻関係が実質的に破綻しており、同意を得る事が困難な場合なども《 当てはまる 》としています。

しかし、女性がDVを訴えても同意を求められるケースも実際にあるそうです、、、

 

4年前に結婚したサツキさん(仮名)のケースでは、夫が結婚直後から避妊を一切しなくなり、サツキさんが避妊するようお願いすると暴れるようになったそうです。

サツキさん:
『 家の中をめちゃくちゃにされて、暴れられて怒られる状況の方が面倒くさいし、そういう状況にされると(夫が)落ち着くまでの時間を耐える事の方がしんどい。
  しょうがない、応じようという感じでした。 』

 

そしてサツキさんの妊娠直後に、夫に400万円もの借金がある事が判明しました。
これでは子どもを育てる事は出来ないとサツキさんは中絶を決意しましたが、夫は同意書へのサインを拒みます。
そして、サツキさんが病院で経緯や事情を説明しても、

サツキさん:
『 人生相談の場所じゃないとお医者さんに言われて、母体は胎児の為のゆりかごだ、みたいな事も言われて、そこで心は折れましたね
  自分の体なのに、自分の意思だけで自分の生き方を決める事が出来ない
  当事者なのに一番蚊帳の外みたいな、、、何なんでしょうね、、、 』

 

その後も夫のDVは続き、サツキさんは自身を守る為に離婚しましたが、子どもとは現在も離ればなれになったままだそうです、、、

このように厚生労働省の指針があるにも関わらず、DVの訴えがあっても何故同意を求めるのかについて産婦人科の太田 寛 医師は現場で医師が《 判断 》する難しさを指摘した上で、

太田医師:
『 例えばセックスだけ強要されるようなDVとかだと、外から見ても分からない
  配偶者同意を取れない状況だと本人が言っている場合に、それを信用していいかどうかというのは判断出来ませんよね。
  その(産むという)負担を引き受ける女の子本人が「産めない」と言っている事に対しては、中絶を認めるという形にして貰いたい 』

 

そして、このような日本の状況に対し日本産婦人科医会の会長である石渡 勇 医師が番組に寄せたコメントとして、