初めての妊娠中に危険な状態に陥った女性のエリザベス・ウェラー氏の身に起こった事で、次のように回想されておりました。
エリザベス氏:
『 (胎児の超音波写真を指し示し)体全体が映っています。
ちょうど性別が女の子だと分かった時です。
全て順調に進んでいました。 』
その彼女に異変が起こったのが妊娠18週目の時ですが、散歩中に出血し、その後に破水したので至急病院に行った所、胎児の命は助からないと告げられました。
エリザベス氏:
『 赤ちゃんがお腹の中で亡くなるまで待つのか、あるいは死を受け入れて中絶手術を受けるのかという事でした。
その夜、夫と中絶(処置をする事)が赤ちゃんが一番苦しまずに済む選択だと決断したのです。 』
彼女自身の母体にも危険が及ぶリスクがあると判断され、主治医が中絶手術の手続きを始めましたが、病院の許可が下りず中絶手術を受けられませんでした。
そして、何の処置もなされぬままに破水から4日後、子宮が細菌に感染し彼女は危険な状態に陥ってしまいました。
エリザベス氏:
『 「すぐに緊急治療室に入って下さい」「早く対応しないと命が危険で、もう妊娠出来なくなる可能性もある」と言われました。 』
この州の法律では母体の命に関わるような緊急事態に限って、例外的に中絶処置が出来るとされていました。
しかし《 現実として 》彼女が中絶手術を受ける事が出来なかったのは先の通りです。
このような状況が生まれてしまっている事について、この州の産婦人科医会の会長であるジョン・ソーピル医師は何が例外に当たるのか曖昧であり、中絶処置を行った医師が罰せられる恐れがあるとの点を指摘した上で、
ジョン医師:
『 この州ではレイプや近親相姦でさえも中絶出来ず、例外は「命に関わる緊急事態」だけです。
法律では医療を詳しく知らない人が緊急事態に当たるかを決定するわけですから、医師が不安を感じるのも無理はありません。 』
このような深刻な状況が《 現に目の前に存在する(存在している) 》事を知って欲しいとの思いからエリザベス氏は、
エリザベス氏:
『 女性から体の自己決定権を奪うなんて、とても乱暴な法律です。
私達は基本的な医療を受ける為に命がけのギャンブルをしなければならない状況に追い込まれているのです。 』
そしてこのような状況に対し、番組ではアメリカ憲法を専門とする拓殖大学教授の小竹 聡 氏がコメントを寄せておりました。
それが、
〖 個人の身体の決定に公権力が介入する事は、生き方を強制する事になり問題だ。 〗
そして、このように意図しない妊娠であるにも関わらず、女性自身が生まない事を決められずに追い詰められているケースは日本でも《 既に生じて 》います。
ここに大きく深く関係しているのが、
〖 刑法の《 堕胎罪 》(1907年~)と母体保護法の《 配偶者の同意 》という規定 〗
になります。
この刑法における堕胎罪では中絶をした女性と関わった医師等は罰せられるという規定になっています。
一方で、母体保護法における配偶者の同意がある場合においては、医師は中絶処置を出来る(罰せられない)とされており、現在では年間14万5千件ほど行われているそうです。
しかし、この仕組みにも障壁がある事が《 既に判明 》しています、、、