そして、飲み薬により中絶処置を行っているクリニックでは1ヶ月で350人の中絶を希望する女性の内、州外からは200人もの女性が訪れて来ているそうですが、このクリニックの取材の3日前にレイプされて妊娠した11歳の女の子が受診に来た事例を取り上げ、それについて医師のフランツ・ティアード氏は次のように述べておりました。
フランツ医師:
『 隣の州の中絶反対派の政治家は若い人達をどんな目に遭わせているか知るべきです。
11歳ですよ。
私の孫と同じ年です。 』
そして、この中絶禁止は今後全米の半数近くに拡大すると予想されています。
その一つのインディアナ州において、意図しない妊娠をした女性を支援する団体には中絶に関する相談が殺到し、その件数は以前(中絶が認められていた頃)の3倍以上にも及んでいるそうです。
この団体では中絶費用の一部を支援したりしていますが、相談者のほとんどが経済的に困窮している女性であるという《 事実 》を元に、この支援団体のジェシカ・マーチバンク氏は次のように述べておりました。
ジェシカ氏:
『 中絶が禁止されても経済的に余裕がある人達は困りません。
禁止されていない州まで自分の車で行けば良いわけですから。
弱い立場の人や、日々暮らすだけで精一杯の人達こそが困難を抱えるのです。
絶望的な状況です。 』
そして、(取材当時において)来週から中絶禁止になる州でギリギリまで中絶処置を行っているクリニックの周りでは中絶反対派が取り囲み抗議活動が行われている中、そのクリニックに意図しない妊娠をした女性の方が別の州からやって来ました。
この方は35歳で既に子どもさんが4人いらっしゃり、その上に借金を抱えていました。
そして、この女性の方は中絶を決心しますが、次のように心情を吐露されておりました。
この女性の方:
『 まだ、これで良かったのかと躊躇(ためら)いはありますが、お金が、、、
前の出産で100万円以上借りていて返済に何年もかかります。
今いる子どもを育てるだけでも大変で、これ以上育てる自信がないんです。
こんな事になるなんて、、、 』
また、同じく別の州から来た2歳の子どもさんを一人で育てている24歳の女性の方は、このままの状態だとお仕事である美容師も続けられなくなり、収入が途絶えてしまうとの状況について、次のように述べておりました。
その女性の方:
『 私はシングルマザーで自分の収入しかありません。
もう一人子どもを抱えるとホームレスになってしまいます。
自分で自分を守らなければ、、、 』
そして、これ迄の所で月に500人もの診察をして来た医師のキャサリン・マクヒュー氏は(取材当時では)来週以降は女性達が行き場を失ってしまう事に対し強い懸念を持ち、次の点を指摘しておりました。
キャサリン医師:
『 中絶を禁止しても中絶の安全性が低下するだけ。
医療へのアクセスが難しくなるのです。
自力で中絶(処置を)する人達が出てくるのを、とても恐れています。 』
そして、中絶が原則禁止となった州では、女性の《 命を守る為 》の必要な治療が出来ない事態も起き始めています、、、
それは次のようなケースです。