火のない所に煙は立つ?立たない? ~潜在意識とマクマーティン児童施設裁判から~

そして、時が進み翌年の1984年2月、地元のテレビ局がこのマクマーティン・プレスクールのスキャンダルをスクープし、この時点では事実も真実も定かにはなっていませんでしたが、このスクープの翌日にはアメリカ全土にまで報道が拡大していきました。
そして、報道においては最終的に389人の子ども達が虐待を受けたと証言し、プレスクール職員全体の組織ぐるみの犯行では!?と報じられていきます。
そして、その中の子どもの証言の一つに次のようなものがありました。

 

『 園内の地下には秘密のトンネルがあって、そこで悪魔崇拝の儀式をしていて、動物の生け贄が必要だった。 』

 

と。
このような報道が続けられ、マンハッタンビーチの住民達のマクマーティン・プレスクールへの怒りが頂点に達し、施設が何度も放火される事件にも至りました。
このような状況の元、このマクマーティン・プレスクールとは無関係の周辺の同様の施設9校も閉鎖に追い込まれていきました、、、

 

と、ここで少し軌道修正をしてみます(笑)
冒頭で魔女裁判などの言葉も出て参りましたし、悪魔崇拝との言葉も出て来ましたが、今回はそのような趣旨とは関係ありませんのと、また、確かに最近の世界各国のマスメディアに問題があるのも事実ですが、これもほぼ関係ありません(笑)
今回は「潜在意識」が趣旨となっております、、、

では、先を続けて参ります!

 

このように報道も過熱気味になりましたが、同年の1984年3月22日、レイモンドは性的虐待など嫌疑97件で逮捕されました。
と同時に、園長である祖母、施設に関与していたレイモンドの母と姉、そして3名の職員も逮捕されるに至りました。
勿論、この逮捕の段階では、有罪判決までは無罪と推定される原則が働きますが、この逮捕された7人には世間からの様々な怒号や非難や罵声が浴びせられていきます、、、

そして、時は同年の1984年6月8日、いよいよ予備審問の為にロサンゼルスの刑事裁判所に7名の被告が集められました。
と、これは雑談としてですが、予備審問とは裁判に掛けるに足る証拠があるか否かを裁判官が判断する手続きであり、《 逮捕 → 予備審問 → 起訴 → 裁判 》との流れで進んでいきます。

そして、この予備審問において検察は348件の嫌疑を提出し、検事は医学的証拠として子ども達を診察した医師を証人として呼んでいました。

検察側の医師:
『 複数の子どものお尻には性的虐待をされた傷痕がありました。 』

 

一方の弁護側も質問をさせる為に別の医師を証人として呼んでいました。

弁護側の医師:
『 傷痕で性的虐待の有無は確認出来るのですか? 』

検察側の医師:
『 可能性はあっても断定する事は出来ません。 』

 

このようなやり取りも含め、予備審問が進むにつれ、検察側の有力な物的証拠が不足している事が明らかになっていきます。
この物的証拠の捜索にはFBIも加わり、証拠となる写真や動画の発見者には約250万円もの報奨金も掛けられていきました。
また、先ほどの子どもの証言にあった《 地下の秘密のトンネル 》を探し出そうと保護者達は重機で3ケ月も掘り続け捜索しましたが、結局は見つけられませんでした。

このように物的証拠がかなりの面で不足している中、1985年1月24日、大勢の見ている前での証言になる側面があり、また弁護側からの追及もなされる事なども含め、子ども達の心身への負担なども考慮に入れられつつも予備審問における裁判所での子ども達の証言が始まっていきます、、、