魂の視点から考える「安楽死と尊厳死」 ~「自殺」との関係性も含め~ 

スイスでは、幾つかの民間の安楽死団体が存在しているそうですが、今回の番組名にもある「彼女」が赴いたのは、2011年に設立された「ライフサークル」という安楽死団体です。
この番組の取材当時では、およそ1,660人が登録をしているとの事でした。

そして、この団体の代表であり医師でもある、エリカ・プライシック氏は、次のように述べておりました。

 

『 (日本人の申し込みが)急激に増えていると感じています。 』

 

と。
勿論、今回のテーマは日本人や外国人などの区別が存在する訳ではありません。
そして、この団体においては、「安楽死」を施すに際し必要な主要件として、以下の4項目を掲げているそうです。

 

〇 耐え難い苦痛がある
〇 (ご本人が)明確な意思表示が出来る
〇 回復の見込みが無い
〇 治療の代替手段が無い

 

このような方針の基に、エリカ医師は次のようにも述べておりました。

 

『 スイス人が最も重要視しているのは、自らの権利を行使したいという事です。

  生きることも、死ぬことも、私(達)に与えられた権利だと思います。

  いつ、どうやって、死ぬのか、自分の希望に従い決めるのが大事です。 

 

では、ここからは、この番組に出演なさって、2018年11月に、このスイスの安楽死団体で「安楽死」により生涯に幕を閉じた、「小島 ミナ 様(女性・51歳)」などの、インタビューでの「肉声」も交えて進めて参ります。
なお、ミナさんは姉2人と妹1人の4人姉妹です。

 

ミナさんは体の機能が奪われていく神経難病「多系統萎縮症」という病気を患っており、全身を激しい痛みが襲う為、薬によって症状を抑えていました。
彼女は48歳の時に、この病気の告知を受け、その後の命を延ばす為には、人工呼吸器や胃瘻(いろう)が必要になるとも告げられていたそうです。

 

ただ、この病気の発症当初は、ミナさんも生きる希望を持っていましたが、2018年3月に、別の医師からも診察を受ける為に、ある病院を訪れた際に、将来、自分に必要になると告げられていた人工呼吸器などを付けた患者さんを目の当たりにした頃から、気持ちが変わっていったそうです。

このような気持ちの変化や状況の中、ミナさんが「自殺」を試みようとしているのでは?と感じたお姉さんが、ミナさんを問い質した所、次のような言葉をミナさんから投げかけられたそうです。