所変われば品変わる ~刑務所から考える多様性~:世界一豪華な刑務所より

アン氏:
『 職業訓練には賛同しますが、ラップに税金を使うのはどうかと。
  これが意味のある活動だとは思えませんねぇ。
  ラップをだらだら歌わせる事が罰になるんでしょうか??? 』

 

そして、この作業場でも指導しているのはプロのミュージシャンですが、その方は次のように述べております。

指導員たるミュージシャン:
『 受刑者は更生中です。
  ノルウェーの刑務所は社会復帰させる事を目指してますから、自分の置かれた立場や物事の善悪について、アート(ラップの歌詞を書かせる事)を通じて認識させ表現させる事は効果的です。
  (ラップの)歌詞には彼らが服役するに至った厳しい状況が綴(つづ)られています。 』

 

そして、このラップの作業場で活動している受刑者は次のように語っておりました。

受刑者:
『 ここは理想都って感じ。
  この生活を存分に楽しんでますし、有り難く思ってます。
  こんな刑務所があると知ってたら、犯罪をやっても恐くないです。 』

 

そして、ラップの作業場を見学し終えたアン氏は、次のような嘆息?ため息?を漏らします(笑)

アン氏:
『 あれ(ラップ)が受刑者の更生に役立つとは思えませんが、彼らはそう考えています。
  音楽活動は結構ですが彼らはアーティストではありません。
  懲罰はどこへいったのでしょう??? 』

 

では、ここ迄におきまして、自由?緩い?などの感想や意見を抱かれている方も多い?かもしれませんが、まだまだこの自由?緩い?は続きますが、そのほんの一端を簡潔に見てみます!

この刑務所内には先ほどの面会室とは別に、服役中の父親の為の面会ハウスもあります。
これは子どもとの繋がりを取り戻す為の施設だそうですが、このハウスでは週末に1泊か2泊、家族等と過ごせます。
ただ、このハウスを利用する際には研修が必要となり、テストもあるそうです。

また、先の概要の所では、許可を貰えば7~8時間の外出も可能との部分もありましたが、それについて刑務官が『 確かに外出したまま刑務所に戻って来ない受刑者も数人はいる 』との発言に対し、アン氏は正直!?な感想を吐き出します。

アン氏:
『 外に出たまま戻って来ないのもいるんです。
  地域住民は大きな苦痛を強いられますよ。
  犯罪者がうろついているんですから。 』

 

更に刑務所内には小さなスーパーマーケットのような施設もあり、そこで受刑者は好きな物を購入して、料理したりして食べたり飲んだりも自由に出来ます
これに関してはアン氏は同調!?理解!?かどうかは分かりませんが、次のように述べております(笑)

アン氏:
『 キャビア三昧の毎日を送って欲しいとは思わないけど、受刑者が様々な料理を学んじゃいけないって理由は無いわぁ。
  社会復帰したら家族に食事を作る事もある。
  だから、ここで色んな事を経験させておくんです。
  勿論、失敗もあるでしょう。
  普通の生活と同じようにね。
  普通の生活こそ、この施設の狙いなんです。
  イギリスで同じ事をやろうとしたら、国民の抵抗に遭うでしょう。 』

 

アン氏個人としての感想と、元政府の一員という「立場」で揺れ動いている!?部分かもしれませんね(笑)

と、このようなハルデン刑務所ですが、ノルウェーおいても全てに賛同されている訳ではなく、再犯率なども含め、やはり賛否両論、色んな意見や見解があるそうです。
では、そのような「視点」から、まずは8年間ハルデン刑務所で刑務官をしている女性の方の「考え」を見てみます!