所変われば品変わる ~刑務所から考える多様性~:世界一豪華な刑務所より

受刑者が日々を過ごす監房はルームと呼ばれる個室となっています。
そして、この部屋にも鉄格子は無く、自分専用の冷蔵庫やシャワー付きのバスルームがあり、テレビやDVDも備え付けられています。
この事に関し刑務官がその理由を次のように述べております。

刑務官:
『 服役中もニュースを観ておけば、出所した時に一般社会の流れに付いていけますから。 』

 

更に面会室では配偶者やパートナーと週に2回面会でき、この面会室には監視する窓も無く、性行為(SEX)をする事も可能であり、その為にタオルやシーツも備え付けられており、コンドーム(避妊具)まで準備されています(笑)
と、このようなルームと呼ばれる監房を見学したアン氏は次のような感想を漏らします。

アン氏:
『 部屋の設備には驚きました。
  収監されると自由を失うだけでなく、快適な暮らしも失うのが当然なのに 』

 

そして、ノルウェーで最も長い刑期で服役している男性の受刑者の感想は以下の通りです。

受刑者:
『 ここの人達(刑務官等)の私に対する扱いが信じられませんでした。
  一体どんな方針でやっているのか???って。
  刑務官は優しいし、受刑者同士も仲良くやっています。
  住み心地も悪くないし、不満はありません。
  自分が服役の身である事を考えれば、本当に幸せだと思います。 』

 

では、次の場面に移動しましょう!
この刑務所では受刑者に向けての様々な作業場があり、ここでは資格も取れるし、機械・木工・印刷・板金・溶接などもプロ(の職人)が指導しています。

そして、この作業場の一つにノルウェー初の塀の中(刑務所)の自動車整備場があり、それこそ、数多くのハンマーや金槌やら電動ノコギリなどが備え付けられています。
勿論、このような工具は全て紛失がないように必ずチェックされていますが、どれも最新の機器類であり、教育省(という行政)が全ての設備費の負担をしています。
この作業場を見学したアン氏の感想は以下の通りです。

アン氏:
『 イギリスでは金属加工の作業場で銃を作る輩(やから)もいたわ。
  だから工具の扱いは慎重にしないと。
  でも、ここは全てオープンねぇ。
  職業訓練の設備は充実していた。
  受刑者達は資格取得を目指し、無駄な時間を過ごしていません。
  イギリスの刑務所にもああいった物が欲しいですよ、本当に。 』

 

と、ここで少し「視点」を変えてみますが、麻薬密売と殺人未遂で服役中の男性とアン氏が話を交わします。

受刑者:
『 自分からハルデン(刑務所)へ来たいって言いました。 』

アン氏:
『 なぜ? 』

受刑者:
『 運良くここに入れれば色んな選択肢が与えられ、教育も受けられます。
  これは重要です。
  手に職も無く出所したら元の生活に戻るだけでしょ。 』

アン氏:
『 それが決まるまでどれくらい掛かった? 』

受刑者:
『 日です。 』

アン氏:
『 3日??? それは早い
出所者が大勢いたとか??? 』

受刑者:
『 俺は裁判の途中で脱走したんです。
  で、出頭する代わりに警察と取引をして、ハルデン刑務所に入れる事を条件にね、だから3日しか掛からなかった。 』

アン氏:
『 どこの刑務所に入るか警察と交渉した訳ね? 』

受刑者:
『 ええ。 』

アン氏:
『 警察は条件を飲み、あなたは出頭した。 』

受刑者:
『 ええ。 』

アン氏:
『 イギリスじゃあり得ない事だと思う。
  脱走犯が自分がどこに収容されるか警察と交渉するなんてね。
  実に興味深い 』

 

そして、アン氏はこれにも次のような感想を漏らします。

アン氏:
『 イギリスでこんな事が起こったら大スキャンダルになりますよ!
  イギリスの警察だったら、いいから戻って来い、刑務所は我々が決める!って言うでしょう。 』

 

では、ここ迄におきましても、皆さんはどんな感想を持たれる事でしょうか???
もしかしたら、社会復帰の為という点は理解出来る部分もあるけれど、何か「腑に落ちない???」ような感じもあるかもしれませんね!?(笑)

では、もう一つの作業場に移動しますが、次はラップ(音楽)の作業場です!
と、ここで真っ先にアン氏は次のように憤り!?ます(笑)