所変われば品変わる ~刑務所から考える多様性~:世界一豪華な刑務所より

そこで、この番組の冒頭では、元イギリス内務大臣のマイケル・ハワード氏の次の言葉から始まります。

『 刑務所には効果がある。 刑務所の存在が我々を凶悪犯から守るのです。 』

 

次いで、現在のアン氏が発言していきます。

(現在の)アン氏:
『 90年代、私がイギリスの刑務所担当相だった頃、政府は刑務所は懲罰を与える厳格な場所であるべきだとしていました。 』

そして、当時のアン氏の映像と共に、当時のアン氏の力説の模様が流されます。

(当時の)アン氏:
『 早期釈放は廃止! 犯罪者は直ちに刑務所へ! 容赦しない! 』

 

しかし、現在のイギリスの刑務所は再犯者で一杯な現状から、果たしてこのような政策は正しかったのだろうか?と「考えて」いた所に、今回のノルウェーの刑務所を3日間見学する為に出向く事になっていきます!
果たして、アン氏は見学「前」と見学「後」で「考え方」が変わるのでしょうか?はたまた、変わらないのでしょうか?(笑)

そこでアン氏が向かったのがノルウェーで一番豪華だと言われているハルデン刑務所ですが、その前にアン氏は刑務所に対するご自身の基本的な「考え方」を次のように話しております。

アン氏:
『 懲役に対する私の考えは、寛容だが厳格に、という一言に尽きます。
  ホテルに滞在するんじゃあるまいし、収監されるんですから。
  自分が刑務所に入れられている意味を日々思い知るべきでしょう。 』

 

では、ここから舞台となっていくハルデン刑務所の概要を少しご紹介致します!

ハルデン刑務所はノルウェーで第2の規模の刑務所であり、刑務所に見えないように巨額が投じられて設計され、2010年に完成しました。
とは言っても、刑務所である事に変わりはないので、周りには高い壁とサーチライトも設置されています。
なぜなら、このハルデン刑務所にはノルウェーの凶悪犯(番組当時では殺人犯40名、強姦犯20名、子どもへの性的虐待者20名、麻薬の密売人60名等)が収監されているからです。

しかし、刑務所内部には鉄格子もほとんど無く、収監される際に行われる薬物検査では体内の検査までは行わず、受刑者が初めて刑務所に足を踏み入れる際には刑務官等が握手をして出迎えます(笑)
また、刑務所は薬物依存からの回復施設も兼ねており、宗教プログラムなども開設されており、日中の受刑者は作業場にいるか外出をしているかがほとんどで、許可を貰えば社会復帰する為の準備として7~8時間の外出も可能となっています。

ちなみに、この刑務所内での受刑者の自殺は設立から10年ほどで3~4名くらいであり、イギリスの刑務所では年間100名近くの自殺者が出ているそうです。

と、このような概要ですが、アン氏はまず最初に次のような感想を抱きました。

アン氏:
『 イギリスなら自分は刑務所にいるんだと常に自覚させられます。
  服役してるんですから。
  ここは(ハルデン刑務所は凶悪犯を収監しているのだから)ハイレベルな警備が必要な刑務所ですよ。
  いわゆる開放型刑務所じゃないんですから。
  私には全てが緩く感じられます。 』

 

では、ここ迄のハルデン刑務所の概要を眺めてみて、皆さんはどんな印象を抱いた事でしょうか???
ちなみに、私個人としてはアン氏の感じ方に今の所では近いかもしれません(笑)

では、そろそろ、世界で一番豪華な刑務所と呼ばれる世界へ一緒に向かって参りましょう!