第257回:『 変化を起こすにはアプローチの仕方にも!? ~音楽療法や脳機能などから~ 』
【 参照キーワード:変化を起こす、アプローチ、音楽療法、脳機能、ロボトミー、メロディック・イントネーション・セラピー、TMS 】
S.Light.M(カウンセリング・ヒプノセラピー・レイキヒーリング)の瀬川です。
ところで、今回は「変化を起こすにはアプローチの仕方にも!? ~音楽療法や脳機能などから~」というテーマをお届け致しますが、今回は幾度か、このTOPICSでも取り上げております『フランケンシュタインの誘惑E+ 人を操る恐怖の脳チップ』と、『サイエンスZERO 音楽が脳にもたらすうれしい効果が科学的にわかってきた!』という両番組(共にNHK放映)からの素材を踏まえて進めて参ります!
では、最初は『フランケンシュタインの誘惑E+』から、スペイン生まれの脳科学者「ホセ・デルガード(1915~2011)」を取り上げますが、実は、この人物に関しては、2018年1月20日のTOPICS「様々な感情(心)はあなたの味方です! ~映画「インサイド・ヘッド」より~」の中での余談として以前にも取り上げておりますが、今回は加筆も踏まえ、改めてご紹介して参ります。
そこで、このTOPICSでも繰り返しお伝えしております通り、私個人的には、
私達の意識は脳に依拠(依存)してはいない!
が、しかし・・・
脳はとても大切で素晴らしい機能を持っている!
という前提を改めてお伝えした上で、この先を進めて参ります!
ちなみに、この前提を創り上げている、ほんのごく一部分ではありますが、私個人が感じているのは「 「意識」 > 「感情 + 理性」など 」と捉えているからでもあります(笑)
では、このデルガードという人物は、約60年前に、脳に小さな電極チップを埋め込み、リモコンで電波を送る事で、感情を制御しようとの様々な実験を手掛けた人です。
ちなみに、他界されたのは2011年ですので、そう考えると、かなり身近な感触を覚えませんか?(笑)
そこで、まず結論?として、デルガードの脳チップにより感情を制御するという研究は、最終的には「政府やエリート層や独裁者などが、一般大衆をコントロールする手段としても使えてしまう」との非難から、晩年においては、研究拠点にしていたアメリカから追いやられてしまう事になります。
では、何故、デルガードが、このような研究に邁進して行ったのかを番組での紹介を踏まえて、その足跡を少し辿ってみたいと思います。
若かりし日の彼は、父と同じ眼科医を目指し、医学部に入学しておりました。
しかし、1936年に、スペインにおいて内戦が勃発してしまいます。
これは、将軍フランシスコ・フランコが指揮する軍部がクーデターを起こしたもので、反フランコ側である共和国軍の医療部隊にデルガードは参加していました。
そして、翌1937年には、彼の故郷のすぐそばの町で、フランコの軍により、市民5千人にも及ぶ大量虐殺が行われてしまいました。
そして、1939年にマドリードを陥落させ、独裁者と化したフランコは、共和国軍の兵士等30万人以上を強制収容所送りにします。
この際に、共和国軍の医療部隊であったデルガードも強制収容所送りにされます。
この強制収容所では、処刑や虐殺や暴力が日常茶飯事に行われていました・・・
ここで、晩年に彼を取材したジャーナリストが、デルガードから次のような話しを聞いたとコメントしておりました。
「(暴力と処刑が絶えない)強制収容所での体験が、自分に大きな影響を与えた・・・」と。
このような状況の中、5ケ月後に解放されたデルガードは、眼科医を目指すのではなく、脳に関する研究を始めるようになっていきました・・・