変化を起こすにはアプローチの仕方にも!? ~音楽療法や脳機能などから~

このように、脳の研究に舵を切り始めたデルガードが注目したのが、スイスの生理学者ヴァルターヘスが1920年代に行った、脳に関する、ある実験でした。

ここで行われた実験は、猫の脳に電極を移植し、電気刺激を与えると猫は興奮し、相手を威嚇するような仕草を取るようになり、これが、感情が脳の働きで起こる事を示した、世界で初めての実験と言われているものでした。

このような経緯から、デルガードは1946年にアメリカに渡り、大学で脳の研究に没頭していく事になります・・・

 

こうしてアメリカに渡ったデルガードですが、当時のアメリカでは、精神科医のウォルター・フリーマンが開発した、

 

脳の一部を切断して・・・

精神疾患を治療しようという・・・

「ロボトミー」手術が全盛となっていた・・・

 

という背景が存在していました。
ちなみに、この「ロボトミー」手術を受けた多くの患者さんは、、、その後、、、廃人となっていった、、、と報告されています。

そこで、デルガードは、脳を切断するのではなく、脳に電極チップを埋め込んで治療する事を考えていきました。
これが、脳への電気刺激装置としての、

 

「刺激 = Stimulation」  「受信機 = Receiver」

を組み合わせた、

「スティモシーバー = Stimoceiver」

 

の発明に至ります。
そして、このスティモシーバーは、リモート(遠隔)コントロールだった事から、動物の脳に直接電極を植え込む事が可能な為に、動物を鎖で繋いだりする必要がなく、動物の行動を制限せずに自由に実験を行えるようになっていきました。
そして、様々な実験を行っていく中で、

 

動物の行動に・・・変化が見られた(現れた)・・・(ように思えた)

 

との流れ?に乗っていきます。
そして、このような流れ?において、デルガードは1952年に、回復の見込み無しと判断された統合失調症やてんかん等の患者さん25名に対し、改良を重ねたスティモシーバーでの人体実験に取りかかっていきます、、、

このように人体実験を開始していった所、

 

手を握ったり開いたりなどの「体」のコントロールは出来た・・・

患者さんにギターを弾かせていた際に電気刺激を与えたら、「怒り」の感情で、その患者さんはギターを投げつけて壊してしまった・・・

控えめな性格の女性に電気刺激を与えたら、その女性はセラピストに突如抱きつき、「喜び」を表現した・・・

 

というように、実験は成功?したかに見えました、、、
そして、デルガードは、この実験の対象を動物に始まり、そこから人体へ、そして、