【 拡大する実験対象 】
人体実験を始めた所、
手を握ったり開いたりなどの・・・
「体」のコントロールは出来た・・・
という一例が出ました。
また、
患者にギターを弾かせている最中に・・・
電気刺激を与えた所、怒り始め(怒りの「感情」の発露)・・・
ギターを投げて壊した・・・
という一例も出ました。
更に、
控えめな性格の女性に電気刺激を与えた所・・・
女性はセラピストに突如として抱き付き・・・
喜び出した(喜びの「感情」の発露)・・・
という一例もありました。
故に、デルガードには、
実験は成功した!!!
かの如く見えて、思えました、、、
そして、このように実験の対象は動物から人間へ広がる中、
次は「社会そのもの」に実験対象を拡大させる
という流れになりました、、、

このように、社会そのものを実験対象にする動機として、
デルガードが内戦で受けた悲惨な体験から・・・
一般大衆が独裁者をコントロール出来るのでは???
との発想が、強く影響していると考えられています、、、
【 忍び寄る軍 】
更に、デルガードは猿の社会(集団)の実験も行った所、これも一見すると成功したかの如く見えて、思えました。
しかし、この実験が世間の注目を浴びる事はありませんでした。
なぜなら、この頃の精神疾患に対するアプローチでは、
「ロボトミー」手術は既に行われず・・・
「薬物治療」が主流になり始めた・・・
という背景があったからです。
また、一向に脚光を浴びない状況下でも、デルガードは闘牛場で荒れ狂う牛を制御する公開実験を行ったりなど、一部の新聞では成功と見做される場面もありました。
すると、デルガードに対し、
莫大な研究資金を与えるオファーが舞い込み・・・
研究続行が可能になった・・・
という出来事がありました。
そして、そのオファーをしたのが、
アメリカ海軍と空軍であり・・・
その「動機」は皆まで言うな・・・
でしょう、、、

【 退く迄の流れ 】
研究続行が可能になったとは言え、デルガードに対する世間の風当たりは、日増しに強くなりました。
その理由の一端には、デルガードの元共同研究者が以下の発言をした影響がありました。
元共同研究者:
『 デルガードとの研究によって、白人の意のままに、黒人の行動をコントロール出来るようになる! 』
また、デルガード自身ではなく、別の精神科医が次の実験を行った影響もありました。
その実験とは、
男性同性愛者に娼婦と無理矢理に性行為をさせ・・・
その最中に喜びを司る脳の箇所に電気刺激を送って・・・
本人の意思に反し・・・
性的嗜好を変えさせる・・・
という内容でした。

このように、デルガード本人の関与は無くとも、
デルガードは研究の始祖
と見做され、世間の反発は一層強まり、研究の場を次第に追われるようになりました。
しかし、デルガードはこのような状況下でありながらも、
自分の研究の真意は・・・
人間の感情をコントロールする事で・・・
「理想」の社会を創り上げる!!!
との「理念」を持っていたと言われます。
ただ、それらも、
あくまでデルガードの考える「理想」であり・・・
他者の「理想」とは違う・・・
などの声も多数ありました。

そして、研究を追われたデルガードは故郷のスペインに戻り、更に研究を続けました。
しかし、科学の力で人間の行動や感情をコントロールする研究は、
電磁波によるマインドコントロールの問題に行き着いた
という事情から、デルガードが一線を退く事に繋がりました、、、
なお、デルガードを含む、当時の脳に関する研究は、
現在の「TMS(経頭蓋磁気刺激法)」と同じ発想
と言われます。
故に、今はまだ少数とは言え、TMSによる鬱病などへの治療は、
現在の日本でも実際に行われている
というのが実状です。

【 天使か??? 悪魔か??? 】
デルガードが他界後の2016年、ニューズウィークの誌上で、
米軍の新兵器は「サイボーグ兵士」
との記事が掲載されました。
しかも、サイボーグ兵士たる所以が、
兵士の脳に埋め込んだ電極チップをコンピューターと接続させて・・・
デジタル音声や映像を兵士の脳に直接送る技術が開発中・・・
と報じられました。
そして、この技術を主導しているのが、
アメリカ国防総省(ペンタゴン)の組織の一つ・・・
国防高等研究計画局(通称「DARPA(ダーパ)」)・・・
と言われますが、ダーパは否定しています、、、

一方、脳に電極チップを埋め込む方法は同じながらも、
特定の「記憶を消去」する事を目的として・・・
PTSD(心的外傷後ストレス障害)の治療へ応用されている・・・
という一面もあります。
これにより、例えば、パーキンソン病の患者の脳に電極チップを埋め込む手術をした所、
体の震えや不必要な動きが抑えられ・・・
他にも(各種)症状が和らぐ事が判明した・・・
というケースに繋がりました。
故に、2002年になると、
アメリカでは治療法として認可され・・・
現在まで日本を含め・・・
全世界で15万人以上の患者が手術を受け・・・
日常生活を送れるようになった・・・
という報告もされています、、、
では、ここ迄の内容は、
天使の実験なのか???
悪魔の実験なのか???
あなたの頭と脳も混乱しているかもしれませんね(笑)

では、ここから『 サイエンスZERO 』に進みます!