変化を起こすにはアプローチの仕方にも!? ~音楽療法や脳機能などから~

「社会そのもの」へ・・・

 

と向けていくようになっていきます。
この根底には、デルガード自身の内戦での悲惨な体験を基に、一般大衆が(虐殺性などのある)独裁者をコントロール出来るのではないか、、、との発想が強くあったとも言われております。

そして、猿の集団(猿の社会)への実験などを行っていきますが、これも一見すると成功?したように見えていましたが、、、この実験が世間の注目を浴びる事もなく、、、その理由は、この頃の精神疾患へのアプローチにおいては、

 

「ロボトミー」手術は行われなくなっており・・・

「薬物治療」が主流となり始めていた・・・

 

という背景がありました。
このように、デルガード自身に脚光が浴びせられる事がない状況で、彼は闘牛場で荒れ狂う牛を制御する公開実験などを行うなどして、(一部の)新聞では見事に実証!などと取り上げられたりもしましたが、、、

 

すると、意外な所?からのオファーがあり、デルガードに莫大な研究資金を与えるとの連絡が入り、彼は研究を続けていきました。
そのオファーをしたのが、アメリカ海軍と空軍でした、、、
その「動機」は、わざわざ私がコメントするまでもない事と思います(笑)

 

しかし、このように研究を続けているデルガードへの世間の風当たりは、日増しに強くなっていきました。
その理由は、デルガードの元共同研究者が、この研究により「(これで白人の意のままに)黒人の行動をコントロール出来るようになる!」と発言した事もあり、、、

 

また、別の精神科医が、男性同性愛者に娼婦(なお、この表現は同番組内で使われていたものですのでご了承下さい)と無理矢理に性行為をさせ、その最中に喜びを司る脳の部分に電気刺激を送り、性的嗜好を変えさせる実験を行った、、、というものでした。

 

こうして、研究の始祖であるデルガードに対して、世間の反発は一層強まり、彼は研究の場を次第に追われていく事になりますが、このような時でも、デルガードは「(私の研究の真意は)人間の感情をコントロールする事で、理想の社会を創り上げる!」との理念を持っていたそうですが、それはあくまでデルガードの考える「理想」であって、他の人の「理想」とは違うなどの反発もあったそうですが、今で言う「多様性」とも大きく繋がる面が見出されそうですね?(笑)

 

このように追われるようになったデルガードは、故郷のスペインに戻り、さらに研究を続けていきましたが、最終的には、科学の力で人間の行動や感情をコントロールしようとする研究は、電磁波によるマインドコントロールの問題にまで行き着き、彼は、一線を退いていく事になりました、、、

なお、このスペイン当時に行っていた研究は、現在の「TMS(経頭蓋磁気刺激法)」と同じ発想と言われており、このTMSによる鬱病などへの治療は、まだ少数ではありますが、現在の日本においても実際に行われております。

 

そして、デルガードの他界後の2016年に、ニューズウィークにおいて、米軍の新兵器は「サイボーグ兵士」との記事が掲載され、これは兵士の脳に電極チップを埋めてコンピューターと接続させ、デジタル音声や映像を兵士の脳に直接送る技術が開発されていると報じられました。

それを主導していると言われている、アメリカ国防総省(ペンタゴン)の国防高等研究計画局(通称「DARPA(ダーパ)」)は否定しているそうですが、、、

 

また、別の観点では、このように脳にチップを埋め込み、特定の「記憶を消去」する事を目的としてPTSD(心的外傷後ストレス障害)の治療へ応用されている面もあるのと、パーキンソン病などの患者さんの脳にチップを埋め込む手術をして、体の震えや不必要な動きが抑えられたり、また、(各種)症状が和らぐ事が判明し、2002年にアメリカでは治療法として認可され、現在まで日本を含め、全世界で15万人以上の患者さんがこの手術を受け、日常生活を送れるようになったとの現状もあるそうです。

 

ここまでは、ポジティブなアプローチなのか?それとも、ネガティブなアプローチなのか?と頭(脳)が混乱しているかもしれませんね?(笑)
それでは、ここからは『サイエンスZERO』を元にして先に進めて参ります!