第552回:『 コミュニケーションの対立と自己矛盾の解決法 ~アンチノミーを考え抜く~ 』
【 その他参照ワード:カント、オッペンハイマー、ハーバー・ボッシュ法 】
S.Light.M(カウンセリング・ヒプノセラピー・レイキヒーリング・各種セミナー&認定講座)の瀬川です!
TOPICSでは、
過度な「二者択一」に陥らない事!!!
と伝えています!
ところで、哲学者のイマヌエル・カント(1724~1804年)は、
「アンチノミー」の提唱
を説きました!
【 アンチノミーとは 】
アンチノミーとは、
「対立」する2つの命題が・・・
「共に証明」出来てしまい・・・
どちらが正しいのか「決着」が付かない状態・・・
という現象です。
表現を変えると、
「AはBである」事と・・・
「AはBではない」事とが・・・
共に証明出来、「成り立つ」状態・・・
になります。
そして、私が思い浮かぶ一つの例えが、
「人間」は「動物」である・・・
「人間」は「動物」ではない・・・
あなたにとっての、アンチノミーが成り立つ命題は、何か思い浮かびますか???(笑)
では、番組『 フランケンシュタインの誘惑 』(NHK BS)から「 愛と憎しみの錬金術 毒ガス 」の回を少し眺めつつ、アンチノミーの視点を当てはめて、「考えて」下さい!
【 毒ガス開発の父 】
化学者のフリッツ・ハーバー(1868~1934年)は、
毒ガス開発の父
と呼ばれています。
ハーバーは「ユダヤ系」ドイツ人で、大学で化学を学びました。
1871年にドイツ帝国が建国され、経済的にも文化的にも急成長を遂げていました。
そして、それまで「迫害」を受けていたユダヤ人も、市民権を獲得しました。
故に、ハーバーもドイツ人として認められるべく、祖国愛を追求します。
この頃、熱力学や電磁気学や天体物理学など、新たな分野の学問が様々に生まれ、ハーバーは物理化学を選び、成功に邁進します。
更に、ドイツ人社会へ「溶け込む」為に、ユダヤ系(ユダヤ教)でありながらも、24歳の時にキリスト教へ改宗します。