薄れゆく記憶には気づけば良い ~2つの雪印事件から学び取る日本の現状も~

つい先日に『 報道特集 』(TBS)という番組を観ておりましたら、昭和43年に発生した「カネミ油症事件」が取り上げられておりました。

これはカネミ倉庫(株)(本社:福岡県)が製造したライスオイル(米ぬか油)の製造過程の脱臭工程において、熱媒体として使用されていたPCBがライスオイル中に混入し大規模な食中毒事件が発生したというものです。

これにより実際に摂取した方々は様々な症状を発症し、しかも、それが《 時間の経過と共に新たな症状を発したり 》なども続き、当時は(胎内で症状を発症した)黒い赤ちゃんが生まれるなどもありました。
そして、このような当事者の方々は《 現在も 》自らの体調不良に苦しめられているだけではなく、特に《 当時では 》周囲の人々から様々な差別やイジメなどにも遭い、結婚後も子どもを授かる事を躊躇(ためら)う方も数多くいらっしゃったそうです。

 

そして、《 現在の実状 》として、このPCBの影響が《 子や孫の代にまで続き、子や孫にも症状が現れて 》います。
この事から、子どもを生んで辛い目に遭わせているとの罪悪感や申し訳なさなどを感じている方も多数いらっしゃるそうです。

そして、このように子や孫の世代でも《 明らかに症状を呈している 》にも関わらず血中のダイオキシン類濃度が《 基準 》に達していない(一般の人とあまり変わらない)との理由だけで、子や孫の世代は被害の認定を拒否され、支援を受けられないというのが実状です。
勿論、この「基準」を設けたのは被害認定される人が増えるのを《 怖れている人間(当該会社と国) 》であるのは論を待ちません。

 

また、これもつい先日にはニュースになっておりましたが、旧優生保護法での強制避妊をさせられた事に対し被害者が起こした訴訟では裁判所が《 訴えを却下 》したり、また、一審で国の責任が認められた判決に対しては《 国が上告をして争う姿勢を取っていたり 》なども《 今の日本の現状 》です。

そして、最近でもコロナ禍でのPCR検査事業において有名企業の不正受給が発覚したり、持続化給金の不正受給に関しては仕組みを作っていた当の官僚が不正受給を行っていた事件もありました。

 

また、コロナ病床を設ける事に対する上乗せなどの医療に関する補助金を満額受け取っていながら、実際の病床稼働率は3割程も《 動かしていなかった 》病院なども多数存在していた事が《 当時でも 》分かっていました。
大学病院等における《 コロナ禍前 》では大幅な赤字経営であったものが、ほとんどの大学病院等では《 コロナ禍以降 》は軒並み黒字回復をしているのも事実です。

 

そして、先日には「LGBT理解増進法」が可決されましたが、《 当事者 》や支援団体の多くから「逆に差別を助長する内容だ」との見解や意見が出されていたのにも関わらず、国は《 押し通して 》しまいました。

同じ事は入管法の(悪)改正においても、《 これ迄の 》日本は国連等からも再三に渡り人権侵害の側面があると《 勧告を受け続けて来ていた 》にも関わらず《 一切耳を貸さず 》、そして今回の(悪)改正に際しても《 同じように 》国連等から《 更なる勧告を受け続けていた 》にも関わらず、これも《 押し通して 》しまいました。

 

そして、今回の雪印は「創業から75年目」に食中毒事件、その2年後の「創業から77年目」に牛肉偽装事件を起こしました。

今年(2023年)は日本も戦後78年目となります。
防衛(軍事)費の増額法案も通り、しかもその財源の穴埋め等の為に東日本大震災における復興税を当てようとしていたり、武器輸出を制限する防衛装備移転三原則の見直しに舵を切り、武器の開発に力を入れるなどの方向に《 突き進んで 》おります。