今のあなたは大人?子ども? ~子ども時代のヒーロー!?藤子不二雄(氏)から~

アナウンサー:当時の心の隙間がある人達と、今現代はどうなんでしょう。

安孫子さん:
『 もう今現代はね、昔はそういう特異な人は少なかったんですよ。
  ところが、今はそういう人だらけ、って言うのも変だけど、色んな起こる事件も、みんな今まで考えられなかったような事が続発してるじゃないですか。
  それはまさに僕が昔描いていたブラックユーモアの作品が、現実の中にあるのが、非常に僕は悲しいと言うかね、、、

  だから、これからどんどん今の子ども達は未来に向かってね、あんまり希望がない世界に陥ってるんで、、、

  まぁ、僕なんかもうすぐいなくなるからいいけど、これからの若い人とか、子ども達の将来がね、もうそれこそ、日本だけじゃなくて、地球そのものがね、だんだん、こう破滅に向かってるような気がするんですよね。 』

 

アナウンサー:今の世の中って、ブラック企業とか、ブラックバイトとか、今、黒が目立っているように思えるんですけど、今の世の中を色で例えると何色だと思われますか?

安孫子さん:
『 やっぱり、かなりグレーからブラックに近づいてるんじゃないでしょうかね。
  社会そのものがね、人間もそうですし、非常に寂しい事ですけどね。

  ただ、人間はやっぱり向上心と言うか、もっと良くなろう、もっと良くなろうと言う気持ちでね、頑張っているのがやっぱり人間の面白さだと思うんですけどね。 』

 

アナウンサー:人間ってブラックな面もあるけど、逆に人間によって救われるとか、、、

安孫子さん:
『 それは勿論、勿論。
  人はね、自分一人では解決出来ない事が、周りに友人とかいれば、そのやっぱり色んな応援でね、また元気になれるけど、一人だとね解決出来ないんですよ。

  人間は人間と付き合う事で成長するわけで。

  勿論、嫌な事もあるけど、色んな人と付き合う内に、どんどんどんどん成長するわけで、年は取るだけで何にも人と付き合わないで、ゲームやったりスマフォやったりしてるんじゃ、これは幾つになっても子どものまんまいるようなもので、それが僕は非常に憂いてると言うか、自分はね。

僕は割と、漫画家という仕事は極端に言うと、編集と自分のスタッフと付き合えば、それで完結するんですよ。
  ところが僕は昔から、全く仕事と関係ない人達と、一緒に付き合う事を何十年とやって来た。
  今でも僕は40歳の若い連中と飲みに行ったりすると、それが逆に活力を僕の方が貰ってね、元気になれるんですよね。 』

 

アナウンサー:今のこの時代、ブラックな気持ちを持っている人達に向けてメッセージがあるとしたら、どういう事がありますか?当時とは目まぐるしく変わりましたけど、、、

安孫子さん:
『 やっぱり、気持ちをね、やっぱり沈む方向よりも、自分で自分を盛り上げてね、愉快にやると言う、非常に難しい事なんですけど。

  僕は漫画という武器があったから、漫画を描く事で自分を前向きに展開して来たわけで、この年までこうやってやれたわけで、誰もが漫画を描けるわけじゃないですから、それぞれの人が自分の一つの方向を見つけて、そこを自分で創っていくという事が、非常に大事なんじゃないでしょうかね。 』

 

そして、最後には次のような振り返りと共に、この先の展望をお話されておりました。

安孫子さん:
『 子ども漫画からスタートしてだんだん中年になる、中年対象、それから壮年になり、今もう僕は85(歳)の老人ですから、僕らと同じか、あるいは、ちょっと下の弱っているお年寄りをね、元気にさせるような漫画を描けたら楽しいかなぁって思ってるんですよね。

  だから今度、今、考えているのは全くブラックとは正反対の、そういうお年寄り向けの漫画を描ければ描きたいなという風に思ってます。 』

 

では、番組からのご紹介はここで終了です!
皆さんの「余韻」を台無しにしてはいけませんので、安孫子さんのメッセージに関しては触れて参りませんが、一点だけ前回のTOPICSにおける私のコメントを振り返ります!

 

《 「大人」は「子ども」時代を「重ねて」来たからこそ「今(大人)」が存在しています。

  そして、魂の視点では「子ども」も「過去世での大人」の経験を「重ねて」来たからこそ「今(子ども)」が存在している。 》

 

では、今回の締め括りに入って参ります!