赤ちゃんの頃を想い出せば成長が加速する!? ~答えは既に自分の中にある!?~

次は、《 赤ちゃんにとって1対1の関係がどれだけ大切か 》を調べる実験が行われました。
ここでは心理学者が中心となり、生後4ケ月から1歳までの赤ちゃんが参加し、人から注目されなくなった時の赤ちゃんの反応に着目されました。

この実験では親が自分の赤ちゃんを椅子に座らせ、最初の数分間を親の側が大袈裟に反応したり、赤ちゃんが興奮気味になるように一緒に遊ぶ事から始まります。
そして、数分遊んだ後に親は横を向き、再び赤ちゃんと向き合う時には親は無表情を装い、2分間無反応を続けます。

 

すると1分以内に赤ちゃんからは手を伸ばして抱っこを求めたり、声を出したりなど、様々な反応が現れ始めますが、どれもに共通しているのが赤ちゃんは一生懸命に目の前の親の注意や関心を惹こうとするものでした。

しかし、それでも親が無反応のままだと、今度は周囲にいる他の誰かの注意や関心を惹こうとし始めます。

そして、それもダメだと分かると泣き始めたり、ぐずったりなどの反応が現れて来た所で実験が終了となりました。
そして、親が反応すると赤ちゃんには笑顔が戻って来ました。

この実験により、赤ちゃんは1対1の繋がりが壊れると、それをすぐに察知して、自分から関係の修復を試みる事が判明したとされています。

 

次も心理学者が中心となり、赤ちゃんに人形劇を見せる事によって、《 良い事と悪い事とを親が教えなくとも、自分自身で見分ける事が出来るのか 》を問う実験が行われました。
ここでは生後12ケ月後くらいの赤ちゃんが参加する事になります。

まず、赤い丸い人形が坂を登ろうとしています。
すると青い四角の人形が坂の上から登らせまいと下に追いやり邪魔をします。
そこへ黄色の三角の人形が登場して、下から支えて赤い丸い人形を登らせようとします。

 

そして、人形劇を見終わった後、青い四角の人形黄色の三角の人形を赤ちゃんに見せ、どちらかを手に取るよう促します。
すると、この生後12ケ月くらいの赤ちゃんでは、皆が黄色の三角の人形を手に取りました。

そこで、赤ちゃんの年齢を下げて同じ実験をした所、ここでも同じ結果となり、最終的には実験に参加した全ての赤ちゃんが黄色の三角の人形を手に取りました。

 

と、次の実験では大人が対象とされました。
それは赤ちゃんの泣き声に対しての大人(親)の反応を調べるものでした。

ここでは、一組の夫婦の家の中にカメラを設置し、昼夜を問わず7日間の観測を通して赤ちゃんが泣いた時の親の行動に焦点が当てられます。
すると、赤ちゃんが泣くと寝ていても必ずどちらかの親が駆けつける事をしていましたが、電車の音や犬の鳴き声などの他の音では親は目覚める事はありませんでした。

そこで、今回は音響学者が中心となり、《 赤ちゃんの泣き声が人(親など)の反応の早さに、どのように影響しているか 》を調べる実験が行われました。

 

それは、大人に4分間、2種類の音を聞いて貰うという実験です。
一つは大人の泣き声もう一つが赤ちゃんの泣き声です。
そして、この音の違いが体に及ぼす影響が調査されました。

そして、音を聞いた後に、反応の早さを調べる為にモグラ叩きのゲームをやって貰う事が行われました(笑)
すると、大人の泣き声を聞いた後と、赤ちゃんの泣き声を聞いた後でのモグラ叩きでは、多くの大人が赤ちゃんの泣き声を聞いた後の方がモグラ叩きの得点が高く出るようになりました。

 

そして、赤ちゃんの泣き声には音量の強弱に急激で著しい変化がある事が分かり、これは《 ラフネス 》と呼ばれているそうで、人の脳の特定の領域を刺激するものだそうです。
その刺激が届くのは、脳の奥にある小さな領域の扁桃体(へんとうたい)と呼ばれる箇所である事が分かりました。
この扁桃体は恐怖を感知する神経回路であり、差し迫った危険や極度の興奮などの際に素早く反応し行動を起こさせる役割を担っているとの事です。

そして、色々な警報器の中には、このラフネスと似たような仕組みを活用し、人々の注意を強く惹く為に活用されているものもあるそうです。