性別違和(異和)と前世の視点から ~違和感が掬い(救い)上げる声なき声~

第9章 生まれ変わりという考え方によってどのような現象が説明できるか 「性的同一性の混乱」 》より引用(抜粋と中略を含む)

『 現在とは逆の性別の人間として送った前世を記憶しているという子どもは、たいていの場合、前世の性別に沿った行動特徴を幼少期に示す。
  このような子どもたちは、現在の解剖学的性別を拒絶するか、拒絶しているかのようにふるまうことがある。

  たとえば、自分は男の子だと主張し、男児の服を着たり、男の子の遊びに興じたり、名前を男の子のように呼ばれたいと主張する少女がいるのである。

  私は、こうした子どもたちの何人かについては、10代後半ないし青年期以降まで追跡調査を行っている。
  その結果、大半は次第に解剖学上の性別を受け入れ、異性の服を着るのをやめ、あらゆる点で正常な発達を遂げることがわかった。

  ところが、それほどの適応を示さなかった例もいくつかあった。
  このような事例では、前世の性別に未練を残し、そのため不幸な生活を送るのが普通であった。 』

 

と、ここ迄におきまして《 正常な発達 》そして《 不幸な生活を送るのが普通 》との記載も出て来ましたが、この著作(の初版)は1990年の発行であり、それから約30年の歳月が流れている中で、医学も科学も、また、人々の意識も大きく変化して来ている面(時代の変化)などもある事はご理解とご了承頂ければと思います。

では、途中の箇所を中略した上で続けて参ります。

 

『 性別違和(異和)の事例から)西洋の精神科医が “ 性的同一性の混乱 ” ないし “ 性別異和症 ” と呼ぶものとよく似ている。
  この種の症状を研究している者の中には、(クラインフェルター症候群のような)生物学的要因をその原因と見なす者もあるが、それだけでは全例の説明は出来ない

  希望とは逆の性別の子どもが生まれてしまったので、両親が、望む性別の子どもとして育てようとした事例も若干あったが、これも、性別異和症全体の説明にはならない。
  このような症状を持った患者の中には、両親の育て方には関係がないことを自ら明らかにしている者もある。

  たとえば幼少期に、物心がついてまもない頃から、自分は女のはずだと思っていたという男性患者がいるかもしれない。
  また、そのような患者は、女物の服を着るなど女性的な行動を取ろうとすると両親に反対されたことをはっきり覚えているかもしれないのである。

  私が調査した性転換例の子どもにある種の性的同一性の混乱が共通して観察されることから、私は、性的同一性の混乱(および同性愛)を示す者一般についても、前世で現在と逆の性別だったためにそのような結果を生じたのではないかと考えている。

  (中略)こうした状態は、前世のイメージ記憶がない場合ですら起こるかもしれないのである。 』

 

では、著作からのご紹介はここ迄になります。
ところで、《 クラインフェルター症候群 》との言葉も出ておりましたが、これは《 男性の性染色体にX染色体が一つ以上多いことで生じる疾患の総称 》とされており、《 男児に発生する先天異常 》とも言われておりますが、これを性別違和(異和)やトランスジェンダーという視点から当てはめてみると、《 男性・女児・女性 》という括(くく)りは除外されてしまう事にもなります。

 

そして、私は医師ではありませんので、別の視点からのお話になりますが、おそらく(とは言いましても確実に)、昔(以前)からこのような性別違和(異和)を感じていた方々はいらっしゃった事でしょうが、それを「声に出す」事は世の中や社会ではタブー(禁忌)とされていたのは間違いない事でしょう。
そして、このような「性」という個に関する(属する)デリケート(繊細)な面を充分に考慮に入れると、