Xジェンダーと性別ゼロ(後半) ~多様性が生み出す新たな少数派にも目を向ける~

第382回:『 Xジェンダーと性別ゼロ(後半) ~多様性が生み出す新たな少数派にも目を向ける~ 』
【 参照キーワード:Xジェンダー、性別ゼロ、トランスジェンダー、シスジェンダー、LGBTQ、性同一性障がい 】

S.Light.M(カウンセリング・ヒプノセラピー・レイキヒーリング)の瀬川です!

早速ですが、前回に引き続き「Xジェンダーと性別ゼロ(後半) ~多様性が生み出す新たな少数派にも目を向ける~」をお届けして参りますが、まず最初の方では、世代が上がるにつれて(トランス)ジェンダーへの目は厳しくなる傾向がある(と言われている)、との視点からご紹介して参ります。
(なお、活用しております素材は、前回に既にお伝えしておりますが、2019年11月22日のBS1スペシャル(NHK)で放映された『 僕が性別 “ゼロ” になった理由(わけ) 』という番組になります。)

 

そこで、八代みゆき さんという方がこの番組に登場してくれますが、八代さんは現在(番組放映当時)95歳で、男性としてずっと生きてきましたが、78歳の時にカミングアウトしました。

八代さんは1925年生まれですが、幼い頃から自分が男の子である事にずっと違和感を持ち続けており、男の子と野球などをして遊んだりもしたそうですが、女の子と一緒にいる方が気持ちも落ち着き、次第に女の子と遊ぶ方が多くなっていきましたが、このような事により自分が(今で言う所の)性同一性障がいである事に薄々気づいていったそうです。

ちなみに、この番組内では八代さんが男子校の同窓会に行った場面も取材されていましたが、話は次第に八代さんへの嫌悪や賛否や是非などに向かい、場の空気や雰囲気が崩れていきました。

 

と、後日、そのような八代さんの元を、空雅(たかまさ)さんが訪れます、、、

そして、八代さんが幼い頃の当時の時代背景などを交え、色々とお話してくれます、、、

八代さん:
『 (当時は)戦前で軍国時代でした。
  そんなこと(性同一性障がいであること)はもう大変、特に男の子にとってはそんなことを口にするだけでも大変な事と思ってね。
  なるべく人には言わないということで黙ってばかりいたものですからね、学校の先生にちっとも覇気が無いって言われたんです。
  覇気が無いんじゃなくて、うっかりしゃべるとみんなにやられるし(あくまで私見ですがイジメやからかい、時には非国民との誹(そし)りなど)、それこそなんて言うんでしょうね、変な目で見られるからって事で、まぁ、そんな状態だったんですよね。 』

 

そして、八代さんは太平洋戦争が始まると軍に招集されましたが、戦後はチェリストとして活動し、同じ音楽仲間の女性と結婚しました。
ただ、自分のこと(性同一性障がいであること)は黙ったままでいたそうです。

八代さん:
『 今みたいにですね、性同一性障がいとかって、そういった病名が全くなかった。
  ひとつの精神的疾患とか精神病とかですね、あるいはヒステリーと言いますかね、つまり、あのぉ、精神的なものの欠陥であるという事でしたね。
  だから諦めの人生だったんです、ドンドン、、、
  自分の気持ちは誰にも言えないし、言っても分からないし、変な顔して見られるだけだから。 』

 

こうして、78歳の時に手術を受け、戸籍も変え、女性として生きる事の選択と決断をされました。

八代さん:
『 やっぱり非常に、逆に違和感がずっとあったという事ですね。
  みなさんの社会に私自身が溶け込めない、入り込めない
  なにか常に疎外感があるんですね。
  まぁ、大きく言えば90年も経って、体全部が変わったという事でもって、すごく安定、心も安定するし、もう、ある意味では、もう自分自身っていうのも全く悔いが無いって言いますかね。
  まぁ、本当に不思議として戸籍が変わって良かったなと思ってます。 』

 

そして、法律的な理由から離婚をして(いわゆる元の)奥様と養子縁組みをする事により、その方と現在も変わらずに、一緒に暮らし過ごしておられるそうです。

そして、話を聞き終えた空雅さんは、八代さんが輝いて見え、将来は自分もそうありたく、エネルギーを貰ったとの感想を述べておりました。