Xジェンダーと性別ゼロ(後半) ~多様性が生み出す新たな少数派にも目を向ける~

そして、2015年1月、空雅さんは20歳になりました。
20歳になると子宮と卵巣の切除手術が受けられるようになります。
また、同じく20歳になると法的にも性別の変更が認められるようになりますが、その為には生殖器の切除手術も必要になり、空雅さんは(前回も登場した)山口 悟 医師の元で手術を受ける事に決めました。

ただ、それにはリスクも伴います、、、

それに関して山口医師は、、、

山口 医師:
『 小林空雅さんは、今日は子宮と卵巣を取る手術を受けるんですよ。
  完全に両対取っちゃうっていうのは、普通ないんですよ。
  なぜかと言うと、卵巣では女性ホルモンが作られているんですね。
  で、この性ホルモンが無いと、まず骨の密度が落ちちゃうんですよ。

  こういった20歳くらいでホルモンが無くなっちゃうと、残り60年もたないです。
  骨がスカスカになっちゃうんで。
  必ずホルモンの補充が必要だと思います。
  それを生涯、続けます 』

 

そして、無事に手術を終え、

インタビュアー:
『 どんな気分ですか? 』

空雅さん:
『 うれしい(笑) 』

 

インタビュアー:
『 軽くなった? 』

空雅さん:
『 う~ん、軽くなりましたね。
  これで戸籍が戻せる(笑)
  まだお腹の辺りは感覚とか麻酔で戻ってないけど、気持ち的にすごく軽くなりました。 』

 

そして、手術から2ケ月後の2015年5月、法的な手続きも終え、空雅さんは正式な男性となりました。
そして、喜びも感じ、将来の夢も日に日に増え続けているとの事で、

空雅さん:
『 今はようやくゼロだから、とりあえずは、堂々と男として生活ができるわけだから、これからは、もう、今通っている声優の養成所に専念して、もらったものを返していきたいなと思っています。 』

こうして、空雅さんはご自身の夢でもある声優になるべく、色々と行動に移していくようになりました、、、

 

と、ここで、この番組では、番組の取材側としての、ひとつのコメントが挿入されていました、、、
それは、

 

《 小林空雅さんの自分の探しの旅も、ここで終わると思っていたのですが、、、 》

 

との趣旨のものでした、、、

しかし、男性として生活を始めて2年、空雅さんは新たな違和感を覚えるようになっていました、、、

空雅さん:
『 違和感あるなって思ったのが22歳とか、職場で店長が私を新人だって紹介してくれた時に、新しく男の子が入ってくれたんですよって、なんで男の子ってわざわざ言うんだろうって、そこがすごい抵抗があって、そもそも性別に触れられたくなかったのかもしれないって、その時ちょっと思って。 』

そして、また一人、空雅さんの人生に大きな影響を与える人物との出逢いを果たしていきます、、、