憧れが創造する反映 ~ジョー・ディマジオに憧れた長嶋茂雄 氏のケースから~

松井さんは高校時代の夏の甲子園大会で、5打席連続敬遠をされ、これは社会的にも物議を醸し出しましたが、その松井さんの淡々と一塁ベースへ向かう姿を見ていた長嶋さんは、次のように振り返っておりました。

 

長嶋さん:
『 あの時テレビで観てましてね、あ~ なんていう高校生でも素晴らしい、いい選手だという事を僕は思ったんですよ。
  フォアボール(敬遠)でもピッチャーに対してね、何という事はない
  その時ね、高校生らしくない、そういう歩きね、一塁(ベース)に走ったわけ。
  あれを見てね、これはいい、もう絶対プロでやるべきだと、僕はすぐにそう思ったの。 』

 

そして、ドラフトを経て松井さんは巨人に入団する事と相成りましたが、長嶋さんは3年で、松井さんを四番打者に育てる一千日構想を立てていきます。
その中には、長嶋さんのご自宅でのマンツーマンでの素振り練習などの「濃密な時間」も含まれました。

しかし、時には二人の間でも意見の対立(相違)はあったそうです。
それは、松井さんがセンター(の守備位置)は嫌なので、サード(三塁手)をやりたいと言った時の事で、長嶋さんは次のような言葉を松井さんに掛けたそうです。

 

長嶋さん:
『 ジョー・ディマジオがセンターを守っていたでしょ。
  言うまでもなく、ジョー・ディマジオは打つのはもちろんの事、守りも最高に上手い人だからね。
  それでね、センターにして、「 松井は日本のジョー・ディマジオになるんだ! 」と、僕が言って、それで(センターに)変えて、サードになるのをやめたわけ。 』

 

そして、後に、松井さんは巨人を退団し、メジャーリーグに挑戦し、ジョー・ディマジオ氏が所属していたニューヨーク・ヤンキースに入団し、日本人初のワールドシリーズでのMVPを手にしました。

では、ひとまず、この番組からのご紹介はここで終了ですが、長嶋さんは現役時代に「動物的な勘」と評されていましたが、ここ迄の内容につきましても、今回のテーマである《 憧れが創造する反映 》という景色や光景について、皆さんの自由な「感性」で捉えて頂けていれば、それで大丈夫です(笑)

そこで、今回のテーマから「繋がって」「重なって」くる視点を少し補足して参ります!
まず、これは以前のTOPICSでも幾度かお伝えしている点ですが、

 

「憧れ(の人や何か)」から学ぶ(真似る)事は・・・

とても大切であり役立つものである!!!

が、その時に必要となるのが・・・

「憧れ(の人や何か)」と・・・

「同化」しない事!!!

 

と。
なぜなら、

 

「同化」という道(人生)を辿ってしまうと・・・

「憧れ(の人や何か)」が経験した苦悩や困難さなども・・・

「同じ」ように経験しがちになるから・・・

 

です。
これがよく言われる所の、《 賢者は歴史に学び、愚者は経験に学ぶ。 》との「反映(の一部)」です(笑)

そして、ここ迄の内容におきましては「個性」なども出て来ましたが、この「同化」を避ける点について、既に「実例」として出て来た事にお気づきになりましたでしょうか???
「同化」と言うと少し難しく感じるかもしれませんが、言葉を換えれば「違いを尊重する」とも言えるかもしれません(笑)