憧れが創造する反映 ~ジョー・ディマジオに憧れた長嶋茂雄 氏のケースから~

インタビュアー:
『 ジョー・ディマジオのどこが好きだったんですか? 』

長嶋さん:
『 いやぁ~ やっぱり、もう、全体、全部がいいね
  スパイク、ストッキング、ズボン、(ユニフォームの)上、帽子、もう、全部が一番いいですよ
  もちろんね、(野球の)技術はもちろんですよ。
  技術は、もう、最高の人ですからね。
  そういうものがね、素晴らしい野球人としてね、何とも言えない男(人)ってあるんですよね。 』

 

インタビュアー:
『 ディマジオ選手のファンに対するサービスであったり、人として(長嶋)監督が、この人凄いな、この人に憧れるっていうのは、どんな所ですか? 』

長嶋さん:
『 やっぱりね、野球に対するものが、ファンがあっての野球だと、ファンがあっての野球にディマジオは強い意識を持っているね 』

 

インタビュアー:
『 まさに現役時代の長嶋監督、長嶋さんに重なるんですけど、それは、やっぱり、ディマジオみたいにと言うか、そういう考えがあったんですか? 』

長嶋さん:
『 多少はあったけどもねぇ、ジョー・ディマジオの野球人としてのものはね、僕にはまだいかない(及ばない)という事は思ってましたけども、少しでも、少しでもいこう(近づこう)という気持ちがあった 』

 

このように、メジャーリーグそしてニューヨーク・ヤンキースのスーパースターであるジョー・ディマジオ氏に「強い憧れ」を抱き、そして、後に自らもミスタープロ野球と称されるようになった長嶋さんですが、その「思いを支えて」いたであろう点に話が及んでいきます!

 

インタビュアー:
『 以前に(長嶋)監督が選手時代に「長嶋茂雄」である事は孤独だったって、振り返っておっしゃってましたけど、スーパースターでいらっしゃいましたし、、、 』

長嶋さん:
『 やっぱり、孤独な面も多少はあるかもわからないね。
  あるかもわからないけど、その孤独な面も表に出しちゃいけないよねぇ
  そうでしょ。 』

 

インタビュアー:
『 見せると、でも楽ですよね? 調子が悪い時でも(練習を)こんなに頑張っているんだと、、、 』

長嶋さん:
『 楽だけどもねぇ、人(ファン)に(孤独な面や練習で頑張っている面などを)見せると自分が安易になるねぇ
  安易になるのよ、、、安易に、、、
  安易になるとやっぱりまずいねぇ、技術は、プロの世界はねぇ。
  やっぱり、自分に対して自分をどうやってやるかという事を、いつもそういう事を持っていないと、これはダメなんじゃないかなぁ。 』

 

このように、プロ野球時代では然り、大学時代から長嶋さんは自らの「個性」を出す事を大切にしていたそうです。
なぜなら、ファンあっての野球との「思い」を常に持っていたからとの事です。

故に、スローイング(投げる時)に歌舞伎の所作を取り入れたり、空振りしてもヘルメットでファンを魅了する為に、わざと大きめのヘルメットを被っていたり、また、敬遠(四球)への抗議の意を込めて、バットを持たずに打席に立ったりもしました(笑)
そして、特に大学時代においては、「大人」から、学生(野球)らしくない!などの非難や批判も多々浴びたそうですが、それでも自分を「貫き通して」きたそうです。

 

そして、現役選手を終え、巨人での2回目の監督就任時の1992年(平成4年)に、ある人と「出逢う」事になります。
それが、愛弟子と称される松井秀喜さんです!