それは、小惑星は岩石や炭素などで構成されており、今回発見されたオウムアムアが小惑星ではなく、仮に彗星であるとするならば、太陽に近づくと同時に、ガスやチリを噴出し「尾」を出す(観測される)はずだ、と。
しかし、今回の観測では、「尾」の観測も見られず、ガスやチリの噴出の観測もされていないので、そうなると可能性は小惑星であろう、と。
さらに、この小惑星と考えている物体は、連星から放出された可能性がある、と続けていきます。
ちなみに、連星とは2つ以上の恒星がお互いの重力で結び付きながら回転しているもので、「双子の星」とも呼ばれていますが、恒星の半数は連星とも言われており、このように、連星はとてもありふれた現象でもあり、この連星のお互いの重力関係はとても複雑である為、近づいた小惑星の軌道を変え、外へ弾き出す可能性が高いとも主張していきました。
では、ここまでは大丈夫でしょうか?(笑)
簡単なポイントは、
彗星であれば、ガスやチリなどの噴出による「尾」が観測されるが・・・
今回はそれが観測されていないので・・・
おそらく・・・小惑星であろう・・・
との整理が出来ます。
そして、これが後に、「私達という存在」である「生命」の誕生における、重大な可能性を膨(はら)んでいきますので・・・(笑)
このように彗星派と小惑星派が議論を交えていった所、オウムアムアは彗星である!との結論が最終的には導き出されましたが、
この結論を導いたのは・・・実は・・・小惑星派である
との流れになっていきます。
そして、その結論に至る前の検証において、小惑星派は、
オウムアムアの「故郷」を探り出す事から「正体」に迫(せま)る・・・
という試みを開始していきます。
勝手にワクワクしているのは、私だけでしょうか?(笑)
そこでまず、小惑星派は、オウムアムアの軌道を「過去」に遡(さかのぼ)っていきました。
すると辿り着いたのは、太陽系から25光年離れた所にある、しかも太陽の2倍の大きさがある琴座のベガに行き着きます。
しかし、オウムアムアが今の速度でベガまで引き返していったとしても、およそ30万年掛かるとの計算が出されます。
なおかつ、宇宙は膨張を続け、その姿を絶えず変えている事からも、30万年前には、ベガは現在とは違う場所に存在していた事も判明しました。
この試みは失敗に終わりました・・・
そこで、今度は別の観点から、今までの観測で予測されたオウムアムアの軌道と、皆さんも名前は聞いた事があるかもしれませんが、ハッブル宇宙望遠鏡を使って新たに観測された軌道とを照らし合わせてみた所、軌道に「違い(差異)」が生じている事を発見します。
つまり、この比較から、オウムアムアは「加速」していた事が判明しました。
そして、この「加速」という現象から唯一残された可能性というのが、
彗星がガス(やチリ)を放出して(加速して)いる・・・
という点に導かれていきます。
そして、最初に予測された軌道に、ガス(やチリ)の噴出の影響を組み入れて、再度計算した所、最初の予測の軌道とハッブル宇宙望遠鏡で観測された軌道が「一致」を見ました。
これが、小惑星派が、オウムアムアは彗星である!との結論付けに至った経緯です。
しかし、ここで最後の難問???が待っていました。