未知との遭遇・・・という絆や統合 ~オウムアムアという訪問者~ 

ここに(まずは、一つの)「絆」が生まれていった・・・

 

という事を見て捉える事が出来ます。
そして、連絡を取った研究者は、このように素早く臨機応変な対応をしてくれた事に関し、次のように述べていました。

 

『 他の天文台も、今回のケースが、如何に重要かを「理解」してくれたから 』

 

と。
そして、先ほどの物体の軌道の詳細な調査に取り掛かっていきます。
すると、通常の太陽系の中においては、地球や火星などの太陽系に存在する星々は、「楕円形」の軌道を描いて太陽の周りを廻っていますが、この物体はドンドン広がりを見せる「双曲線」を描いて移動していた事が明らかになりました。
そして、この調査から、

 

人類が初めて確認した軌道・・・

である事が判明したと共に・・・

この物体は・・・太陽系には二度と戻らない軌道・・・

 

でもある事が分かってきました。
そして、この物体に対して、国際天文学連合により、

 

【 1 I  /  2017 U1 】

 

という符号が付けられました。
ちなみに、最初の「1」は世界初を意味し、次の「I」はInterstellarという、恒星と恒星の間を飛行する天体を意味しているそうです。
なお、今回は「ちなみに」というコメントも多々出て参りますが、「雑学」として利用してみて下さい(笑)

そして、この物体がハワイで発見された事から、ハワイ語で、

 

初めての・・・遠い所から呼び掛けてくる・・・遣(つか)い

という意味の・・・

〖 Ou mua mua : オウムアムア 〗

 

と名付けられました。
ここからが本題に入って参りますが、付いて来てこれてますでしょうか?(笑)
と言うのも、では「この物体は何なんだ???」という正体を見極める議論が湧き起こっていくからです・・・

 

そこで、まず、カリフォルニア大学バークレー校においては、「ブレークスルー・リッスン・プロジェクト」という、地球外の知的生命体を探す研究が実際に行われていますが、ここの電波天文学者が、このオウムアムアの形状やスピードなどから考え、

 

宇宙船の可能性を探る・・・

 

という観点から調査を開始していきます。
ここでは、宇宙船であるならば、何かしらの人工的な電波が出ているはずだ、との面を考慮し、世界最大級のグリーンバンク電波望遠鏡で観測を開始しました。

が、しかし・・・人工的な電波を観測出来なかった事から、宇宙船ではなく・・・何かしらの天体である、との結論付けが行われました。
もし、宇宙船であったという発表がなされていれば、皆さんもとっくに知って大騒ぎ?していますよね(笑)

そして、宇宙船の可能性が消された所で、では、天体とは言っても・・・このオウムアムアとは・・・一体、何なんだ???という検証が「彗星(すいせい)」派「小惑星」派の間で行われていきます。

 

では、まず「彗星(すいせい)」派です。
ちなみに、彗星とは主に氷で出来ていて、恒星に近づくと「尾」を出す(そのように見える)性質があり、代表的なハレー彗星などは皆さんも知っている事と思います。

 

そこで彗星派の研究者は、まず小惑星の可能性を消していきます。
それは、太陽系に小惑星がやって来る確率が極めて小さいというものであり、その理由は、小惑星は主に岩石で構成され、恒星の近くで作られているので、太陽の重力に強力に縛られており、その重力から逃れるには、外からの強力な力(働き掛け)が必要になるから、と主張していきました。

例えが適切かどうかは分かりませんが、例えば、洗濯機を回している時に、その中の靴下を取り出すには、あなた(の手)という外からの介入がないと、靴下が勝手に洗濯機から飛び出す事はないのと似たような感じかもしれません!?(笑)

 

そして、彗星自体は太陽の重力の影響が強くない、外側の領域で生まれる事を根拠として示していきます。
さらに、彗星が木星のような大きな星の重力で加速されれば、太陽の重力から逃れられる可能性があり、また、細長い形状の彗星も実際に観測されていると続けていきました。

 

では、一方の小惑星派も主張を続けていきます。