改めて「眠れない」という事について ~素晴らしい集中力という個性も~

単に、無意識において繰り返してきた行為に過ぎない

 

という点を覚えておいて下さい。
これは、ポジティブに表現すると「習慣」でもあり、ネガティブに表現すると「癖」という事になります。
そして、ここで一点、無意識に繰り返してきた行為は「潜在意識」に定着しやすくなっています。
先ほどの自転車の乗り方に似ています。
再度、新たな事を潜在意識に定着させていくには少しの繰り返しの時間は必要になりますが、しかし、だからと言って変えられない性質のものではありません。
そこで、この性質を逆手に取って、今まで通りに素晴らしい集中力を活用し続けます。
そして、その方法とは、

 

眠りに付く時に、今までの悩みや問題を既に克服した自分自身や環境などをイメージする

 

という事です。
「眠れない」という方は、今までも無意識ながら悩みや問題のネガティブな側面に意識を集中させてきた事に違いはありません。
つまり、何かの側面に無意識ながらも集中させる事に、とても得意になっていると言えます。
故に、

 

集中するという「行為」は変えずに、集中する「対象」を変える

 

だけです。
とても簡単な事です・・・が、しかし、悩みや問題を克服した自分自身などをイメージするのは難しい、という意見がとても多くの方から出るかと思います。
そこで、一つの事を思い出して下さい。
あなたがなりたい自分自身になるのを「遠ざけている」のは、他の誰かでもなく環境でもなく、

 

「遠ざけている」のは他ならぬ自分自身である

 

という事です。
そして、もっと簡単に言うと、そのような自分自身をイメージする事に、

 

単に慣れていないだけ

 

と言えます。
慣れていない事は、繰り返す事により次第に慣れ、自然なものになっていきます。
まさに、自転車の乗り方と同じように・・・
そして、無意識ながらもそれを今まで行ってきた事により「眠れない」という状況が自然と作り出されていったに過ぎません。
そして、それは単に、ネガティブな事柄に意識を集中させていただけであり、それをポジティブな事柄に意識を集中させていくだけで改善されていきます。

 

ところで、私が好きな漫画の「美味しんぼ」(作:雁屋 哲、画:花咲アキラ 小学館)の第14巻の第4話に「骨のない魚」という物語があります。
それを少しご紹介致します。

『 一人の車のプロのレーサーがいました。
  試合で良い成績を治めてきた事により、F1レーサーへの道も開きかけていました。
  しかし、道が開きかけてきた事により、不眠症になってしまいました。
  道が開きかけてきた事で、試合で絶対に負ける訳にはいかないとの思いが強くなり、車は故障しないだろうか?コーナーの曲がり方は良いだろうか?など、延々とレースの事を考えているうちに眠れなくなってしまった・・・

  そして、主人公たる山岡士郎に試合で勝った時のご馳走を考えてくれないか、と相談がありました。
  そこで、「骨のない魚」という料理を山岡は提案しました。
  しかし、このレーサーは不眠症である上に、「骨のない魚」って何なんだ?と考えることが増えると益々眠れなくなるから教えてくれ、と懇願します。
  しかし、山岡は以下のようにお話して、料理の内容を教えるのを断ります。

 

  「そんなに弱い神経じゃ、骨のない魚がなんだか分かっていったんはホッとしても、すぐになにか別の物にとりつかれて、くよくよ考えて眠れなくなるに決まっているもの。」(原文のまま抜粋)

 

  そして、この後、このレーサーは見事に試合に勝つ事が出来ました
  そして、祝賀会において勝てた理由を山岡に教えました。

  骨のない魚っていったいどんな料理なのだ?などと考え続けていたら、気づいたら眠ってしまっていた。
  今まではレースの事ばかり考えていたので、不安でたまらなかった
  しかし、骨のない魚を考えた事で、長く続いてきた不安と緊張を解きほぐしてくれて、眠れようになった。 』

 

という物語です。
この物語には真実が含まれています。
それは、