第284回:『 冬至という初夢に贈る物語(メタファー) ~パート4~:丘の上の金色の窓 』
【 その他参照ワード:潜在意識、想像力 】
S.Light.M(カウンセリング・ヒプノセラピー・レイキヒーリング・各種セミナー&認定講座)の瀬川です!
2019年の冬至は12月22日です!
そして、今年も私がABH(米国催眠療法協会)のトレーナー認定修了試験の際に活用した、5つの物語(メタファー)の内の4つ目を紹介します!
そして、今頃の時季に物語を届ける理由が、
初夢という素敵なエナジーは・・・
冬至の前後から・・・
徐々に、馴染ませるように、溢れ出て来る!!!
からです(笑)

そして、物事や出来事も、
時の経過と共に、自然と変化するのではなく・・・
自らの「思い・言葉・行動」と密接に繋がっている・・・
という視点も含め、あなたの自由な感性で、楽しんで眺めて下さい!
そして、今年の物語は小説家・児童文学者の鈴木 三重吉 氏(1882年~1936年)の著作『岡の家』から、「丘の上の金色の窓」です!
なお、原文通りではなく、私の方で少々アレンジしている点は、事前に了承下さい。
では、物語の始まりです!!!

【 丘の上の金色の窓 】
丘の上にある貧しい家に、小さな男の子と、その両親が仲良く暮らしていました。
男の子は毎日お父さんと一緒に山の仕事に出かけて、一生懸命お手伝いをしています。
休みなくお手伝いを続けるのですが、夕方になると、1時間だけ自由に遊んでもいい休憩をお父さんは与えてくれました。
その夕方の自由時間がくると、男の子は毎日決まって、家の後ろにある小高い丘の上に出かけていました。
なぜなら、その丘の上から、はるか向こうの丘を眺めると、その丘の上にはとても綺麗な金色の窓のある家が見えたからです。
男の子は、その金色の窓がとても好きで、夕日が沈む頃になると、しばらくの間、キラキラとまぶしいほどに光っているのです。

それを眺めていると、そのうちに、その家の人が扉を閉めるのか、急に光が消えてしまいます。
男の子は、夜がやってくるから金色の窓も閉めるのだろうと思い、自分の家に帰っていくのでした。
そして、ある日、男の子のお父さんが、毎日よくお手伝いをしてくれるご褒美として、一日の自由な時間をくれました。
男の子はとても喜んで、毎日夕方に眺めている、丘の向こうの金色の窓のある家に行ってみようと出かけました。
丘を下っていく足取りも気分も軽く、疲れると木の実を取って食べたり、綺麗な小川の水を飲んだりしながら、楽しみに歩いて行きました。
そして、今まで眺めていた丘を登って、ようやく目的の金色の窓のある家に辿り着きました。
しかし、間近で見るその家の窓は、自分の家と変わらない窓で、金色のガラスでもありませんでした。
男の子は楽しみにしていただけに、とてもガッカリしてしまいました。

それでも、せっかくの自由な時間を貰えたのだから、男の子は勇気を振り絞って、その家のおばさんに事情を話してみた所、そのおばさんは優しい微笑みで、『 おばさんの家は貧乏だから、金色の窓なんてありませんよ。 』と男の子に話しました。
その家には、男の子と同じ年くらいの女の子がいたので、おばさんは女の子と遊んでおいきよと言って、娘を紹介してくれました。
女の子を見ると、自分と同じように裸足で、着ている服も質素なものでした。
二人はおばさんから貰った果物を食べたり、自分の家で飼っている動物の話などをしたりして、とても仲良くなりました。
そこで男の子は女の子に金色の窓の家の事を話しました。
すると女の子は、
『 私も毎日見ているよ。 でも、それはここではなくて、ずっとあっちの方。 』
と男の子を案内してくれました。
女の子は、
『 ほら、ちょうど、あっちの方に見えるよ。 』
と向こうの丘を指さしました。
すると、確かに女の子の指さす方には金色の窓のある家が見えるので、男の子はビックリしてしまいました。

それは、向こうの丘の上にある、自分の家だったのです!!!
男の子は女の子と別れて、夕日の中を自分の家に向かって走り続けました。
そして、自分の家の前に辿り着き、家の窓から中を覗くと、ランプの灯りや暖を取る薪(たきぎ)、そして、お母さんが作ってくれた夕食がテーブルの上で男の子を待っていてくれました。
そして、その夜、男の子はお父さんとお母さんに、嬉しそうに今日一日の楽しい出来事を話して、こう言いました。
『 僕たちの住んでいるこの家にも、金色の窓が付いているんだよ!!! 』

では、物語は終了です!