オーバードーズや薬害問題に見る究極の矛盾 ~経済至上主義の関係も~

【 実態は闇の中に終わる 】

サックラー氏を詐欺行為の当事者として起訴準備が進められていく中、2003年3月にサックラー氏は社長を(意図的に)退任します。

更に、パーデュー社の顧問弁護士は「会社として罪を認める代わりに詐欺行為の起訴を取り下げるように」と司法省に司法取引を持ち掛けます。

 

その結果、詐欺行為では無く、より罪の軽い虚偽表示だけをパーデュー社は認め、罰金6億ドルで済まされ、パーデュー社の誰一人として個人の罪(責任)は問われずに終わりました。

このように、正式な裁判が行われなかった事により、実態として何が行われていたかという《 情報が社会に共有される事もなく 》終わってしまいます、、、

 

 

【  オピオイド・クライシスとパーデュー社のその後 】

2010年にパーデュー社はオキシコンチンにより過去最高となる30億ドルの売り上げを達成します。

すると、他の製薬会社も相次いでオピオイド鎮痛剤の市場に参入し、アメリカ全土にオキシコンチンを含むオピオイド鎮痛剤が《 溢れ返る状況 》となりました。

 

2015年には中毒患者への治療や闇市場の摘発など、オピオイド鎮痛剤の対策による経済的損失は5、040億ドルにも上ってしまいます。

更に、2016年にはオピオイド鎮痛剤による死者が4万人を超え、これは交通事故による死者数を上回っていて、その後も《 右肩上がりで上昇を続けて 》いきました。

そして、2017年のオピオイド・クライシスに繋がっていきます、、、

 

その後のパーデュー社は相次いで訴訟を起こされ、2019年にパーデュー社は破産法の適用を申請し、2020年には被害者団体と60億ドルの和解金で合意をしますが、その条件として「今後の民事訴訟からサックラー家を免除する」との条項も入っていました。

しかし、2021年に連邦地裁がこの和解案は違法の可能性があると待ったが掛かり、現在も最高裁で審議が続いているそうです、、、

 

【 新たなオピオイド鎮痛剤フェンタニルの登場 】

このような経緯と事実が《 判明する 》中でも、現在のアメリカではオキシコンチンより100倍強力と言われる「フェンタニル」というオピオイド鎮痛剤が大量に出回り続けていて、冒頭のプリンス氏も常用者であり、その結果として中毒死に至りました。

また、海外からフェンタニルを作る成分等の大量の密輸も後を絶たず流入していて、繰り返しですが2021年にはオピオイド鎮痛剤の過剰摂取による死者が8万人に達してます、、、

 

【 アメリカと日本の医療用麻薬の管理の違い 】

アメリカと日本を比較すると、医療用麻薬の管理に関してアメリカでは処方時の説明義務が「奨励」に留まっているのに対し、日本では説明と書面による確認書を医師と患者との間で交わす事が「義務付けられている」など、日本の方が厳しい管理と取り扱いになっていて、余った薬に関しても日本では確認書に返却するよう明記されており、医師も指導するようになっています!

 

では、長くなってしまい恐縮ですが、番組からの紹介はここで終了し、出来るだけシンプルに締め括ります!!!

 

 

【 今回の総括 】

最初に繰り返しですが、現在のアメリカでのオピオイド鎮痛剤の過剰摂取による被害は乱用等が大きな要因である一方、中には医師の処方通りの服用で中毒になったり死に至ってしまった人も含まれています。

そして、薬自体は大切で必要な面もあり、良い薬もありますし、薬自体に罪は無いという側面もあります!

また、適正な経済活動で利益を得るのは悪い訳でも全くなく、少なくとも今という現状の世の中や社会では、ごくごく自然なものです。

 

ただ、TOPICSでも繰り返し警鐘として伝えている「今だけ 金だけ 自分だけ」という《 過剰な経済至上主義 》になってしまっているのも、今現在の世界中の《 風潮 》であり事実です。

そして、途中では『 あたかもマルチ商法や催眠商法さながらの過剰な熱気のような《 空気(感) 》が流れている異様な光景 』とコメントしましたが、