オーバードーズや薬害問題に見る究極の矛盾 ~経済至上主義の関係も~

今現在の世の中や社会

 

であるのも事実です。

そして、オーバードーズに限らず、「心の歪(ゆが)み、歪(ひず)み」などに至る理由においても、家(族)や学校等の環境であったり、人間関係であったりなど様々にありますが、

 

このような家(族)や学校等の環境や人間関係も世の中や社会の「縮図」という《 反映 》であり・・・

この家(族)や学校等の環境や人間関係が再び世の中や社会へ「拡大」という《 反映 》がされていき・・・

これが負のスパイラル(循環)となっている・・・

 

のも現実です。

まず、今、オーバードーズをしている人は「ご自愛」という言葉の通り、一刻も早く止め、薬では無く(他の危険性のある物も含め)誰かや何かに頼って下さい、、、

 

 

では、ここから視点を変えていきますが、日本でも昔から薬害問題化学薬品(成分)等による公害問題起こっており、それは今現在も起こっています。

そこで今回は『 フランケンシュタインの誘惑 』(NHK BS)という番組から「鎮痛剤 オピオイド・クライシス」の回を素材として少し眺めていきます!

 

2016年にミュージシャンのプリンス氏が他界し、2017年にはプロゴルファーのタイガー・ウッズ氏が意識混濁状態で車の運転をして逮捕された出来事がありました。

そして、

 

この2つの出来事にはオピオイド鎮痛剤(の過剰摂取)という《 共通点 》がある

 

というのが出発点となります!

 

【 オピオイド鎮痛剤とオピオイド・クライシス 】

オピオイドとは「麻薬系鎮痛剤の総称」であり、特にアメリカではオピオイド鎮痛剤の中毒患者や過剰摂取者が急増していて、これにより命を落とす人が年間8万人に上っています。

2017年にはアメリカ前大統領のトランプ氏がこの状況を《 オピオイド・クライシス 》と呼び、「公衆衛生上の非常事態宣言」をしました。

では、ここでほんの少しだけ鎮痛剤の「歴史」を辿ってみます!

 

【 鎮痛剤の歴史 】

当初に鎮痛剤として使われていたのはアヘンですが、心身を蝕む事が判明し次第に使われなくなり、19世紀にはアヘンから鎮痛効果だけを取り出す試みがなされ1804年にモルヒネが誕生します。

このモルヒネも当初は中毒性が無いとの《 触れ込み 》で売り出されますが、南北戦争で負傷兵が使用した所、40万人もの中毒患者を生み出してしまい(当時の薬の現状のままでは)使われなくなっていきます。

更に1898年には同じく中毒性が無いとの事でヘロインが誕生しますが、これもベトナム戦争で56万人もの中毒患者が出てしまいました。

 

 

このような歴史もあり、最近ではオピオイド鎮痛剤は終末期のガン患者等の激痛を和らげる為に使用されるのが《 本来の役割 》となりますが、この鎮痛と中毒に取り組んだのがアメリカのパーデュー・ファーマ社という製薬会社です、、、

 

【 パーデュー・ファーマ社とは 】

パーデュー社は1984年にオピオイド鎮痛剤を初めて取り扱います。

成分のモルヒネが徐々に溶け出す事で長時間持続型の鎮痛剤という触れ込みで売り出した所、当時は末期がん患者等の緩和ケアに注目が集まっていた為、パーデュー社のオピオイド鎮痛剤が多くの医療現場で使われ主力商品となっていきます。

しかし、この薬の特許が1997年に切れる事から、新たな鎮痛剤の開発を指示したのがオーナーであり医師でもあるリチャード・サックラー氏でした。

 

サックラー氏は末期ガン患者等のみならず、全米で5千万人が悩んでいると言われる関節痛や腰痛などの慢性的な痛み、更にスポーツによるケガや歯の痛みにも新薬を使えるように範囲を拡大する事を目論見ます。

そこでサックラー氏は新薬の条件として次の3つを指示します!

① 飲みやすい錠剤にする

② 鎮痛効果が12時間続く(1日2回の服用に済ます)

③ 乱用のリスクや中毒性が低い

 

【 新薬の特色 】

①の錠剤についてはアヘンを原料とした「オキシコドン」という成分を用いる事で、一般の経口剤は多くの成分が肝臓で分解される為に30%程の効果しか無いとされていたのに対し、オキシコドンは成分が肝臓で分解される事が少なく80%程が中枢神経に働く(届く)という特色があります。

②の鎮痛効果の持続についてはオキシコドンを特殊な2層の膜で包む事で、従来より徐々に体内で成分が吸収されるようにするという特色があります。

③については「①と②の特色」から乱用のリスクや中毒性は生じ辛い(即効性が低いからハイになる目的では使われない)との理由付けがされました。

 

そして新薬は「オキシコンチン」と名付けられ、大々的に売り出されていきますが、③についてパーデュー社は充分な臨床試験を行なわずに新薬を流通させていきます、、、