環境が人を創る事の功罪(光と闇) ~スタンフォード監獄実験&ジキルとハイドより~:前半

後に今回のスタンフォード監獄実験が《 再び注目 》されるようになったキッカケとして、【 アブグレイブ刑務所捕虜虐待事件 】という出来事(文字通り事件)が起こりました。

これは2001年に起こったアメリカ同時多発テロがキッカケで2003年にはイラク戦争に発展し、そのイラク戦争で2004年に捕虜となったイラク人兵士を収容したのがアブグレイブ刑務所であり、約30名ほどのアメリカ兵士による捕虜虐待が発覚したというものです。
この刑務所内ではイラク人捕虜に犬用の首輪を付けて引きずり回したり、性的な嫌がらせを加えたりなどの、《 肉体的及び精神的苦痛を与え人間の尊厳を奪う行為 》が横行していました。

 

そこで、先のジンバルドー氏が問題を起こしたアメリカ兵士達の鑑定人を引き受け、捕虜虐待事件の調査に取り掛かる事になりました。
すると、このアブグレイブ刑務所では捕虜から情報を引き出す為に看守のアメリカ兵士達に「尋問者を手助けする事が任務」と伝えられていた事が判明します。
そして、その状況がスタンフォード監獄実験と《 驚くほど似ている 》とジンバルドー氏は訴えました。
それについてのジンバルドー氏の見解が以下のものとなります、、、

 

ジンバルドー氏:
『 私は(スタンフォード監獄実験では)看守役にサディスティックに振る舞うよう促してはいない。 それと同じく(アブグレイブ刑務所での)兵士達にも囚人に性的虐待を加えるよう促されてはいなかった。 それにも関わらず、スタンフォードでもアブグレイブでも看守達の間にはやりたい放題やっていいという感覚になるような規範が浸透していた。 彼らは個人として説明責任を負っておらず、目撃者がいない為に何をしても罰せられなかった。 こうした状況では道徳的な判断は消え去り、これまで身に付けた教訓よりも行動の方が雄弁になる。 私の仮説ではアメリカ人兵士は元は善人であり、おそらく腐っていたのは「リンゴが入っていた樽」の方である。 』

 

このように再び《 環境が人間を邪悪に変えた 》と主張し、ある意味では虐待をしたアメリカ兵士達を擁護した恰好ともなりました、、、

では、今回の前半における番組(次回の後半では2つ目の監獄実験を取り上げます)からの紹介はここで終了ですが、ごくごくシンプルな締め括りと致しましては、少し視点は違いますが、看守役の《 普通の 》大学生はジンバルドー氏から言われた「看守の役割は刑務所の適度な秩序を保つこと」という目的の元に《 自分達の役割を全うしよう 》としておりましたが、ここがTOPICSで幾度もお伝えしております、

 

《 思い・言葉・行動の一貫性を保つ 》のは大切で必要な事ではあるが・・・

最も問われるのが《 真の動機 》!!!

 

であり、おそらく看守役の《 普通の 》大学生達の《 当初の思いという真の動機 》は決して間違っていたものではない事でしょう。
が、しかし、

 

《 その後(実験開始後)の言葉と行動 》が・・・

当初の真の動機である《 思いに次第に影響 》を与え始め・・・

どこかの段階で《 気づけて 》いれば・・・

 

この実験の《 過程も結果も変わっていた 》のかもしれません、、、

そして、果たして、ここ迄の内容におきまして、今回のテーマでもある、

 

環境が人を創る事の功罪(光と闇)・・・

 

皆さんはどのように捉え、どのように感じ、どのように考えるでしょうか、、、(笑)

なお、このスタンフォード監獄実験は「プリズン・エクスペリメント」(アメリカ)、「es」(ドイツ)、「プリズン13」(日本)などの映画化もされているそうですので、興味や関心のある方は鑑賞してみると、今回の《 言葉(文字)だけ 》のTOPICSよりも、より《 リアリティー(臨場感) 》を感じ取る事が出来るかもしれません(笑)

 

ちなみに、今回と関連した他のテーマと致しましては、2022年12月17日・24日の第438・439回目のTOPICS『 群衆心理(群集心理)が向かう先には ~理性からの協力と感情で群れる事の違い~:前半後半 』、2022年8月8月13日の第420回目のTOPICS『 朱に交われば赤くなる事の危険性 ~同調圧力も含めた善悪功罪という両面~ 』などもございます!

 

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