環境が人を創る事の功罪(光と闇) ~スタンフォード監獄実験&ジキルとハイドより~:前半

【 (1971年)8月14日:第1日目
囚人役は囚人服に着替えさせられ、監房の外に一列に整列させられ、1日3回の点呼が課される事になりましたが、囚人の中には、あくまでこれは実験であり、そこ迄の重み(現実感や意義など)も感じていないなどから笑顔で接する囚人もいた為に、看守は真面目にやれと叱責したり、罰として腕立て伏せをやれと命じるようになりました。

そして、この看守役は「日中(午前10時~午後6時)」・「夜間(午後6時~深夜2時)」・「深夜早朝(深夜2時~午前10時)」の3つの時間帯に区分され、それぞれ3人ずつのシフト制が取られました。
そして、1日目の交代時間である夕方6時、日中シフトの看守が夜間シフトの看守へ次のアドバイスをしました。

 

日中シフトの看守:
『 一部の奴らはまだ囚人役に溶け込んでいない。 用心深く観察し圧力を掛け、他の連中と歩調を揃える必要がある。 』

夜間シフトの看守:
『 まぁ、うまくやっとくよ。 君たちが明日戻って来る時にはビシッと歩調が揃っているはずさ。 』

 

そして、その後の夜8時の点呼に変化が生じていきます、、、

それは看守が難癖を付け何度も点呼のやり直しを命じたりなど、囚人に《 新たな 》圧力を掛け始めました。
更に、看守の言葉に《 素直にハイと答えない 》反抗的な態度を取った囚人を懲罰房に閉じ込める罰を与えたりなども始まっていきました。

実験開始から僅か半日での看守の《 急激な変わりよう 》に、モニター越しに《 観察 》をしていたジンバルドー氏は驚きを隠せずにいました、、、

 

そして深夜2時30分、看守は囚人を理由も無く叩き起こし、規則には無かった抜き打ちの点呼を取り始めたりなどの《 行動 》を取るようになっていました。
と言うのも、この行動は初めて任務に就く深夜早朝シフトの看守の為に夜間シフトの看守が思いついた案を《 伝えていた 》事が発端となっていました。
この案を思いついた夜間シフトの看守は、

 

夜間シフトの看守:
『 そうすれば(叩き起こすなどをすれば)新しく看守を務める3人もすぐ気分が高まって看守役に入り込みやすいだろう。 』

 

このように考え、同じシフトの看守も思いついた案に《 同調(賛成) 》していきました。
こうして看守役の大学生は《 自分達の役割を全うしよう 》と思い行動しつつも、それと《 同時に 》事前に決められたルールから《 次第に外れ始めて 》いき、実験開始から僅か16時間後には、看守から囚人への《 虐待 》までもが始まっていきました、、、