公明正大という救世主:前半 ~漫画本「医龍」からのメッセージ~

「第7巻より」:
児玉という医師が手術の際に患者さんの心臓の中に針を置き忘れたまま終えてしまい、その患者さんは不調を訴えて明真にやって来ます。

そこで児玉の先輩の木原と野口(教授)とで《 口止め工作(隠蔽) 》を図りますが、手術に立ち会っていた一人の看護師が悩みに悩んだ末に朝田に打ち明けます、、、

その打ち明けた背景の一つとして、その看護師の祖父が入院する事になり、どうしても孫の勤務している病院が良いと言ってきかず、その看護師はダメとも言えず、ましてや何故ダメなのかの《 理由 》も告げられずにいたという事情がありました。

そして、朝田は再手術を行う事を決めますが、木原がそれに血相を変えて異を唱えてきます、、、

 

朝田:
『 児玉は、自分の手に余る事態が起こったのなら、それに対処できる医師をすぐに呼ぶべきだった。
  たとえばオレを呼べばよかった。 』

木原:
『 お前を呼べば、全て患者に話しちまうだろうが・・・・!! 』

 

朝田:
『 当然だ
  児玉が犯したもっと大きな罪は、ミスを隠そうとした事だ
  ミスはミスでキッチリ患者に説明しないと、医者と患者の間に真の信頼関係は築けない 』

 

ところで、ここ数年来「隠蔽」「改竄」が後を絶たない状況でもあります。
しかも「真摯に受けとめ丁寧な説明を続ける」との言葉を念仏のように何度も聞かされた感が拭えませんが、その後、そのような《 行動が実践に移された 》のでしょうか???

事は政治の世界に限らず、民間にまで及んでしまっていますが、国民や消費者が《 疑心暗鬼 》の世の中や社会において、果たして《 倖せ(幸せ) 》というものは築けるものなのでしょうか、、、

 

「第7巻より」:
野口は愛弟子である加藤を教授に推薦しない事を決めたと加藤に告げます、、、

そのような焦りや動揺の渦中、加藤は朝田と共に先程のAさんのバチスタ手術に臨みます。
そして、野口の教授に推薦しないとの言葉には、このバチスタ手術が終わったら朝田のチーム全員の左遷や、明真からの追放を示唆しているものでもありました。

その手術の始めに心臓の変性部位を特定した朝田は伊集院に触ってみろ(触診してみろ)と告げた所、伊集院はかすかに感触の違いを感じます。
しかし、伊集院の前に触診した加藤は何一つ《 違和感を感じ取る 》事が出来ませんでした。

そして、手術が進行していく中、加藤は心の中で色々と想いを巡らし《 自分自身との対話 》を始めていきます、、、

 

加藤:
『 ---私には、一瞬の違和感すらなかったのに---
  ・・・・・!!

  育ってきている・・・!!
  若い芽が・・・!!
  少しずつ・・・今までの医局では、摘まれていた芽だ・・・!!
  ---この芽を、潰したく、---ない!

  (中略)

 

  ---今・・・このチームを救うために、私に何ができるだろうか・・・・・!!
  ・・・・・何もないわ。
  私自身 身体に火がつき、じきに火だるまになるっていうのに---
  だけど---たとえ私が灰になっても、このチームを、守る方法を見つけなければ!

  (中略)

 

  ---ねえ、朝田くん、---この小さなチームが、未来を担う医師たちの希望となるために---あなたに求めたいものが、二つあるの。

  一つは、どんな困難な手術にも果敢に挑戦し---必ず、患者を救う事!
  そして、・・・・・もう一つ。
  あなたの手術を見る全ての医者を挑発し---より高いレベルへ誘う---
  ---刺激的な男であること!

  (中略)

  ---私は私で、たった今から、---このチームを守るための戦いを、始めるから--- 』

 

ところで、持続可能な社会と謳っているSDGsも、次第に《 仏作って魂入れず 》かのようにお題目に過ぎなくなって来ているような感も個人的には受けますのと、どこか企業のイメージアップの為だけに利用されつつあるような気にも個人的にはなって来ております。
勿論、懸命に活動に取り組んでいる団体や個人も間違いなく存在しているのも事実です。

また《 将来世代にツケを残さない為に 》との言葉もよく見聞きしますが、福島原発の廃炉処理でも《 全く先が見通せない 》状況であるにも関わらず、原発の増新設に舵を切り、国民の《 安心安全の為に 》《 命と財産を守り抜く為に 》との方便の元で色々な事が勝手に決められドンドン変えられています。

 

ここでのお題目であったり、将来世代などの方便においては、《 今さえ(自分が生きている間さえ)しのげればそれで良し 》との構図(真の動機)が透けて見えつつあります。
一言で言えば《 保身 》という事になります、、、

もし仮に、《 真の保身 》を考えるのならば、魂の視点からの、