アンバランスへの対応法 ~軸や芯の創造には知り・考え・気づく事~

そして、第6波では大阪府内の障がい者施設で193件のクラスターが発生した事から、大阪府の社会福祉法人が加盟する団体が大阪府知事に要望書を提出しましたが、その会見では『 全て事業者の責任として丸投げをされた 』と感染者を受け入れる施設を設けて欲しいと訴えましたが、大阪府では入院の受け入れは中等症以上か中等症への移行が懸念される患者のみとし、軽症者は宿泊療養施設での受け入れとしますが、この宿泊療養施設では食事や洗濯や体調の報告は患者自らで行う必要があり、介護等が必要な人は宿泊出来ず受け入れて貰えない状態のまま放置され続けました。

このように、全てが施設側に押し付けられてしまっている状況を問われた大阪府知事も然り、また国会でも取り上げられ担当大臣の答弁でもお茶を濁された感の如く、その後も何の手当もなされずに来てしまいました。

 

しかし、このように全てを押し付けられた施設側に対して充分な補償がなされる訳でもありませんでした。
同法人では8,500万円ほどの大規模な損失がごく短期間の内に出てしまいましたが、そこには療養所とせざるを得なかった事による施設の休業であったり、療養所と化した事で必要になった支出として職員への残業・危険手当、防護服の準備やPCR検査の実施などで損失の9割以上の大半を占めていました。

しかし、国と自治体からの補助金は772万円しか支給されませんでした。

 

このように経営自体が逼迫(圧迫)されている中で夏のボーナスの支給も目前に迫り、職員の方々からも金銭面での不安などの声が生じて来た事から、経営側と職員側とで話し合いが行われ、経営側としてはかなり厳しい財務状況であるにも関わらず昨年よりボーナスを下げるなどの措置を取らない事を決めました。

そして、そもそもが福祉職の1カ月の賃金は全職種の平均に比べて約5万円程低いのが以前からの調査によって既に明らかになっており、そもそもが慢性的な人手不足の業界(業態)であるのも以前から指摘されている周知の事実でもあります。

そして、同法人では障がいをお持ちの方と、そのご家族を支える為の新たな住まい創りの為に貯蓄していた積立金を取り崩して対応せざるを得なくなりましたが、この施設の経営に携わっている方が次のように答えておりました。

 

『 (療養)施設がない事が私達にとっては致命的。
  (法人が)財政面で壊れるのか、人材面で壊れるのか。
  あらゆる意味で限界 』

 

では、番組からの紹介はここで終了ですが、以前のTOPICS(『 心が置き去りにされている現代 ~コロナ過の精神科病院から~ 』)ではコロナ禍の精神科病棟における患者さんの扱いの実態についても既にご紹介しておりますが、いわゆる社会的に弱い立場とされている方々を取り巻いている事実です。

そして、今回の福祉等の業界に限らず他の様々な業界、また旅行や飲食業界も厳しいのはどこも同じです。
そして、現在では旅行支援などに税金も投入され行われておりますが、ここでは陰性証明も活用出来ますが、基本はワクチン3回接種が前提とされています。

 

旅行や飲食等では子どもさんを含めたご家族での利用も多い事でしょうが、小さいお子さんへのワクチン接種を躊躇っている親御さんもかなり多いですし、そもそもが子どもさんの中には年齢の線引きで接種条件に当てはまらない方もおります。
また、アレルギー等で接種したくとも出来ない方も大人も子どもも含め大勢いらっしゃる一方で、テレビのワイドショーなどでは連日の如く旅行支援のお得な活用法などの特集ばかり垂れ流している状況です。

今回ご紹介した福祉の現場に限らず、「アンバランス」という今回のテーマを皆さんはどう捉えられたでしょうか、、、

 

では、今回の締め括りに入って参ります!