虎の威を借る狐にならぬように・・・ ~信頼の醸成~:私の手痛い!?体験からも

2番目の体験は、私が次の事務所に移籍した時の事です。
この時は、大きな土地取引があり、既に話が着いているのと、このプロジェクトを率いているのは「日本でも有数の大企業」なので、報酬の事は全く気にせずに、とにかく一刻も早く宅建業の免許が欲しいとの内容でした。
そして、この時も急ぎの事情と言う事で、行政に納める手数料も立て替えをし、申請完了後にすぐにお支払い頂けるとの事で、双方共に合意に至りました。
そして、無事に免許を取得出来たのですが、宅建業というのは免許が下りただけでは営業(や契約)をする事が出来ず、営業保証金というものを一定の期間内に納めた上で、初めて事業が行えるような仕組みになっております。

 

そして、報酬をお支払い頂けるのを待っている間に先方の会社から電話が掛かってきました。
すると、営業保証金を納める期間が過ぎてしまい、免許が失効になったとの事で、私も行政(東京都庁)に掛け合ってみましたが、やはり法律で定まっている事なので、どうにも出来ないという結論になりました。
しかし、事情が事情なので、もう一度申請をしてくれたら、通常よりも早めに免許を下ろす事は出来るとの善処をして貰える事になり、二度目の申請を行いました。
ちなみに、この二度目の時も手数料は立て替えました(苦笑)

 

すると今度は行政の方から私に電話が入り、今回の二度目の申請では(現在の名称では)宅地建物取引士の方に問題(有効期間切れ)があり、免許要件が揃わないとのお話でした。
と言いますのも、皆さんにおかれましても運転免許証を取得した後に、その更新手続きを怠ってしまうと車の運転が出来なくなるのはご存じの通りです(笑)
この宅建業におきましても、宅地建物取引士という人がいなければ免許要件を満たす事は出来ません。

そして、この二度目の申請の際に会社の担当者の方は、宅地建物取引士の免許の更新をしておらず、私には有効期間内であるとの「嘘」をついておりました。
ちなみに、一度目の申請の際に免許取得が出来たにも関わらず、営業保証金を納めたと会社に「嘘」を付いていたのも同じこの方です(苦笑)

 

と、話が逸れましたが、勿論、私も責任ある仕事ですので、通常であれば宅地建物取引士の方の免許証のコピーなどを申請前にちゃんと確認させて貰うのですが、先の事情の通り急ぎとの事もあり、会社として責任を持って確認しているので、とにかく申請を急いで欲しいとの事で申請を致しました。
勿論、ここでも法律をねじ曲げる事など出来ませんので、私と行政の方とやり取りをした上で、別の宅地建物取引士の方を据える(書類を差し替える)事で(二度目の)免許を下ろして貰う事が出来ました。

 

そして、この会社の社長は年配の女性の方でしたが、それ迄も会社に伺って色々と打ち合わせや雑談をしている中で、自分(社長)はリストラや職が無くなった人をボランティアのように率先して採用している話や、それも含め今回の大きな土地取引も「信頼」を背景に得たものであるなどのお話をよくされておりました。
しかし、免許を取得出来たにも関わらず、報酬の支払いを少し待って欲しいとの電話が入るようになりました。
この会社を紹介して頂いたお付き合いのある司法書士の先生の顔をむげにも出来ませんので、しばらくの間は待つ事になりました。

 

しかし、その後も支払いを待ってくれとの電話は貰うのですが、そうこうしている内に、半年~1年と時間だけが過ぎていきました。
そして、今でも覚えておりますが、暮れの年末に電話を頂き、分割になって申し訳無いけれど、年明けには必ず(最初の)お支払いをしてくれるとの約束をし、色々とあったけれど、お互いに良い年末年始を過ごしましょうと電話を終えました。

しかし、年が明けても、待てど暮らせど電話自体が掛かってこなくなり、その会社に出向いてみたら、この時も、もぬけの殻、、、となっており、報酬はともかく、申請の際に行政に納める二度の手数料までもが赤字となってしまいました(苦笑)

では、段々と今回のテーマでもある「虎の威を借る狐」の部分が見えつつある頃合いかとも思いますが、最後の3番目の体験に進みましょう!