まず、当時のドリフターズにおいて荒井 注 さんが脱退した事により、新メンバーとして志村さんは加入しましたが、当時では自分(志村さん)の事を知らない観客等の辛い?冷たい?視線や、全くウケない事を悩み抜いている姿を回想しながら、相棒とも呼べる加藤 茶 さんが次のようにコメントしておりました。
加藤 茶 さん:
『 志村は考える事が大好きなんですよ。
何でもかんでも自分で考えて、全部その筋立てて作っていくんですよ。
ヒゲダンスなんかそうですよ。
(志村さんが)なんかさ、ヒゲ付けてさ、タキシード着てさ、なんか出来ねえかなぁっていう、、、
ほんで持って来て、(志村さんが)グレープフルーツを投げて剣で取るところから、これからやろうって、、、
これ、話聞いてると、面白くもなんともないじゃないですか。
これをやってみて、笑いにしちゃったんですよね。
出(舞台への登場時)の音楽から何から全部志村が考えて、だから、そういう考えるセンスはずば抜けてあったんですよね。
「あっ、志村さん面白いんだ」っていう風になってきて、で、やっぱり自分の意見も言うようになって。
やりたい事が分かって、そのやりたい事がウケると、もういい循環になりますよね。 』
そして、生前に志村さんはご自身の事について、次のように話しておりました。
志村けん さん:
『 寝ようと思って、お酒飲んで寝ようとするんだけど、「あっ、そうだ、あそこ、どうしようかな」って、自分で不安なところが10カ所くらいあったりするんで、そこをセリフ考えにいったりとかね。
色んなもの出て来るんですよ、「ああ、どうしよう」、もう寝ようと思うんだけど、ふっと、「どうする、あそこ」とかって、もう不安で寝られなくなっちゃうんですよ。
結構、気が小さいんですよ、僕、こう見えても。
まだ、何かないかな、これでもか、これでもかって、考えて考えて、やっと、まぁいいかなと思って、この辺でというのじゃないと出来ないんですよね。
ウケなかったら怖いっていうのがあるんで。
だから、とことんまで考えて考えて、緻密に計算してやっていくんですよね。 』
このお二人のコメントを眺めておりますと、加藤さんは志村さんの「考える」という点を「センス」と評し、一方の志村さんはご自身の「考える」事について「不安や怖れ」からと答えておられます。
そして、宜しければ、このお二人のコメントの中における「笑い」や「ウケ」の箇所を、「信頼」に置き換えて、再度眺めてみて下さい、、、
そして、志村さんは次のようなご自身の体験もお話されておりました。
志村けん さん:
『 手紙を貰ったんですよね。
母子家庭の方で、お母さんもずっとパートやってるし、高校生の子も学校行ってバイトやってると。
月曜日8時から始まる前に、ご飯全部作って、2人で見ながら食べて笑って、片付けして、もう一回ビデオ取って見るんですって。
来週も、もう一週間頑張ろうなって言って、親子で笑ってるっていうのを貰ったんですよ。
その時、嬉しくなっちゃってね、そういう事が。
辛いけれども、たった1時間だけでも、それを忘れてね、笑ってくれるっていうのが、一番嬉しいですね。 』
では、今回は最初にお伝え致しました通り、「メタファー(物語や比喩・暗喩)」を背景に活用しておりますので、あれこれと私が補足する迄もございませんが、最後にほんの少しだけおしゃべりさせて頂きます(笑)
志村さんのコメントを眺めておりますと、そこに現れてくる(見えてくる)のが、