Bさん:
『 返事はですね、手紙を読んでびっくりしたと、申し訳なかった、というだけの返事ですね。
ただ手紙が来ただけで、その後、何もなかったです。
カトリック教会に対して告発した私への聞き取り調査もなかったんですね。 』
そして、先ほどのように海外では性的虐待への厳しい追及が以前から始まっており、2013年教皇フランシスコは世界中の教会に対して、
○ 虐待の通報の義務化
○ 事実隠蔽の禁止
との通知を出しました。
また、2016年に、先ほどのボストングローブ紙の調査過程を描いている《 スポットライト 世紀のスクープ 》という映画も公開され、このような世界的な流れもあった当時においても、日本カトリック司教協議会は、Bさんのケースすら明らかにしようとしなかったとの事でした。
ちなみに、2020年の春に、日本カトリック司教協議会はHP上で調査結果を公表したとの事です。
また、私もこの映画は観ましたが、もし、今回の内容を含め、関心を持たれた方がいらっしゃれば、宜しければご覧になってみて下さい。
では、話を元に戻しますが、Bさんが訴えたにも関わらず、それへの対応がお粗末であった事に対し、
Bさん:
『 性(的)虐待をする神父がいれば、被害者は一人では済まないんですよ。
たった一人(加害)神父がいただけでも、被害者はかなりの数が上がるはずなんですが、そこが具体的にきちんと調べられていない。
きちんとプレス(報道機関)に(調査結果を)出して、教会の外まで調査を広げないと実態が掴めないと思うんですね。
被害者達にどういったケアをするのか、そういった事も全くなくて、、、 』
そして、このような経緯を踏まえ、2020年6月、Bさんが中心となって、日本で初めてとなる、神父による性被害者の会が設立されました。
その会の催しの講演壇上で、同じく被害者の50代の女性(ここではCさんと称します)が、次のように声を上げました。
Cさん:
『 現在もその時の恐怖がよみがえり、日常生活に支障を来しています。
(この会が催された今日という日は)私にとって前へ踏み出す日となりました。 』
そして、先ほどのAさんもこの会に出席しており、涙ながらに次のように語りました。
Aさん:
『 こんな話(自分が神父から性的虐待を受けた事)が漏れたら、教会の信者さんが失望するだろう。
求道者は希望を失って死ぬんじゃないか、って思ったんです。
本当に私、そう思ったんです。
私は神様に誓っていたんです。
私は死ぬまで、棺桶に入るまで言いません、って。
沈黙が私の十字架ですと祈って、死ぬまで言わない事を誓ったんです。
でも、それを破る日(今日)が来たんです。 』
そして、主催者たるBさんは壇上から、次のように語りかけました。
Bさん:
『 この問題、本当に厳しい、つらい問題です。
でも、誰かが声を出さなければ、決して変わっていきません。
私達はこんな苦しい思いを他の世代、今の子ども達には二度と味あわせたくありませんので、、、 』
そして、講演を終えたAさんがインタビューに対し、次のようにお話されておりました。
Aさん:
『 涙出ちゃったけど、聞いて貰えた事で、癒やされた部分はあります。
受け入れて貰った。 』
では、この番組からのご紹介はここで終了です。