【 日本で初めての実名告発 】
日本でも性的虐待の声が上がりますが、そのキッカケとなったのが、64歳の男性(以下、Bさん)による、日本で初めての実名告発でした。
2019年11月、ローマ教皇フランシスコが38年ぶりに来日しました。
この時、Bさんは教皇に宛てた手紙を、バチカン市国の日本大使館に投函しました。
そして、来日した教皇が乗った車列に、次のプラカードを掲げました、、、
《 日本にもカトリック神父による性的虐待被害者はいます。
日本カトリック教会はローマ法皇に真実を公表してください。 》

そして、Bさんは話します、、、
Bさん:
『 やはり、もう、胸を張って死んで、そして神の前に立つには、やはり今、こう言うしかないと、自分では覚悟を決めて告発しています。 』
【 拒否出来ない被害者に突け込む手口 】
両親が離婚し、Bさんはカトリック系の児童養護施設に預けられました。
そして、小学4年生の時に性的虐待を受けました。
当時のBさんは体も小さく、イジメられていた悩みを、ドイツ人神父に打ち明けた事が発端になりました、、、
Bさん:
『 「よかったらもう少し話を聞くから、部屋に来ないか」と言われ、殴る蹴るの暴力を受けていたので、服を脱いで傷を見せてたんですね。
傷を労(いたわ)るようにしてたんですけど、だんだんと性的な事に及んで来たという事なんですね。 』

そして、Bさんにとって、神父は親代わり(のような存在)でした。
故に、性的行為がエスカレートしても拒否出来ず、毎週のように神父の部屋に呼ばれるようになりました、、、
Bさん:
『 およそ、ほとんどの事はされた、、、
神父の性器を握らされたりとか、ただ、それ以外にも、ミサが終わった後に礼服の中にですね、ポケットがあるのでそこに手を入れさせられて、握らされた事もあります。
終わった後も「誰にも言わないように。 言うと地獄に落ちるよ。」と言われました。 』

そして、半年ほど経過した頃、他の修道士が性的虐待に気づき、(当該)神父の部屋に行かないように言われました。
更に、他にも被害を受けた子ども達が判明し、(当該)神父は別の施設に異動させられました。
【 フラッシュバックに苦しむ 】
その後のBさんは、中学卒業と共に施設を退所し、親戚の家に引き取られました。
そして、21歳で就職、31歳で結婚し子どもを授かりましたが、職場でも家族にも、本当の事は話せませんでした。
更に、その後も思いがけない時に、当時の記憶が蘇る事が多々ありました、、、
Bさん:
『 お風呂に入れる時に、子どもの体を洗おうとしたら、フラッシュバックが起きてですね、心も体も感覚も、全てが当時に戻っちゃうんですよね。
自分がその当時そういう事をされてた、その瞬間に戻ってしまって、何も出来ない、ワァーっと叫ぶぐらい(しか出来ない)ですかね、、、 』

【 ボストングローブ紙がキッカケ 】
Bさんが声を上げるキッカケとなったのが、アメリカのボストングローブ紙の調査報道でした。
新聞紙面では、数十人の神父により30年以上に渡って、130人以上の子ども達に性的虐待が行われていたと公表されました。
更に、カトリック教会が長年、その事実を隠蔽し続けていた事も判明しました。
そこでBさんは、日本カトリック司教協議会に事実を訴えます、、、
Bさん:
『 やはり日本でもね、同じ事があるから、この事をやはり訴えなきゃならないと思って、カトリック教会に対して手紙を書きました。
私以外にも被害者がいるはずだから、きちんと調査をして欲しいと。 』

すると、Bさんに返事が来るものの、、、
Bさん:
『 返事はですね、手紙を読んでびっくりしたと、申し訳なかった、というだけの返事ですね。
ただ手紙が来ただけで、その後、何もなかったです。
カトリック教会に対して告発した私への聞き取り調査もなかったんですね。 』
