変化を遂げるには・・・まず「安心」を ~グループソウルという視点からも~ 

『 今日 久しぶりにお話しできることを光栄に思います

  最初に 私たちをすべて平等にお創りいただいた神に そして私が早く元気になり新しい生活を始められるよう祈ってくださった皆さんに感謝します

 

  親愛なる兄弟姉妹の皆さん ひとつ覚えていてほしいことがあります

  「マララ・デー」は 私の日ではありません

  今日は 権利を求めて声を上げたすべての女性 すべての少年少女の日です

  私はその一人にすぎません

  ですから 私は 多くの少女たちの一人としてここに立っています

  私の役割は 自分の権利を主張することではなく 声なき人々の声を伝えることにあります

 

  親愛なる皆さん

  私は 2012年10月9日 左の側頭部をタリバン兵に撃たれました 友だちも撃たれました

  彼らは銃弾で私たちを黙らせようと考えたのです

  しかし そうはいきませんでした

  その時 沈黙の中から数千の声が上がったのです

 

  テロリストたちは 私たちの目的を変えさせ 私の意志をくじこうとしたのですが

  私の人生で変わったことは ひとつだけでした

  それは 弱さや恐怖 絶望が死に絶え

  その代わりに 強さと力 勇気が生まれたということです

  私は 今までと同じマララです 私の意志は変わっていません 私の希望も 夢もそのままです

 

  親愛なる兄弟姉妹の皆さん

  私は 誰も敵だとは思っていません

  ましてや タリバンなどのテロ集団に対して 個人的な復讐心はありません

  私は あらゆる子どもの教育を受ける権利を訴えているのです

  タリバンなど過激派の息子や娘にも教育を受けてほしいと思っています

  私を撃ったタリバン兵さえ憎んでいません

  銃を持つ私の目の前に彼が立っても 私は撃たないでしょう

 

  それこそ 私が 慈悲深い予言者ムハンマド イエス・キリスト ブッダから学んだ思いやりの心です

  それこそ 私が マーティン・ルーサー・キング ネルソン・マンデラ ムハンマド・アリ・ジンナーから受け継いだ変革の伝統です

  ガンジー バーシャ・ハーン マザー・テレサから学んだ非暴力の哲学です

  そして それこそ 私が父と母から学んだ寛容の心です

  「平和を愛し 万人を愛しなさい」という心の声が聞こえてきます

 

  親愛なる兄弟姉妹の皆さん

  光の大切さが分かるのは 暗闇に閉ざされた時です

  声の大切さが分かるのは 沈黙を強いられた時です

 

  私たちは同じようにパキスタン北部のスワートで 銃を目にした時

  ペンと本の大切さに気づいたのです

  「ペンは剣よりも強し」ということわざは本当でした

  過激派が 昔も今も怖れているのは 本とペンです

  教育の力は 彼らにとって脅威なのです 彼らが日ごとに学校を爆破しているのは

  彼らが 昔も今も変化を恐れ 私たちが社会に持ち込む平等を恐れているからです

 

  私たちは 言葉の力と強さを信じています

  私たちの言葉は 世界を変えることができます

  私たちはともに手を取り合って教育を求めているからです

  その目的を達成するために 「知識」を武器にして 連帯と団結を盾として身を守っていこうではありませんか

  ですから 本とペンを手に取り 全世界の無学 貧困 テロに立ち向かいましょう

  それこそ 私たちにとって最も強力な武器だからです

 

  一人の子ども

  一人の教師

  一冊の本

  そして 一本のペンが世界を変えるのです

  教育だけが解決策です

  教育こそが最優先です 』

 

そして、二つ目は2014年12月のノーベル平和賞受賞スピーチのものです。