「動機」を捉えるとは・・・ ~麻酔という医療特許と精神医療の身体拘束のケースから~

① 連絡を受けた際には、医師・看護師等による危機解決サービスチームが症状などの確認を行う。

② 命に関わる緊急のケースのような場合には、約1割(10%)の人は病院への入院などが行われる。

③ 残りの約9割(90%)の人は、それぞれの地域の専門家の判断により、小規模ケア施設や在宅で必要なサービスを受ける。

④ 病院に入院した約1割(10%)の人も、出来るだけ早期に③の地域によるケアに移行出来る事を目指して、病院でのケアを受けている。

 

現在のニュージーランドではこのようなケアの仕組みや連携がなされているそうですが、ニュージーランドにおいては、約100年以上も前から身体拘束を減らす試みが続けられてきたそうです。

また、現在のニュージーランドの精神科入院病棟においては、身体拘束をする器具そのものが一切存在しておらず、首都のウエリントン市では、人口が21万人でありながらも、精神科のベッドは48床しかないそうです。
さらに、このような様々な取り組みを行っているニュージーランドでは、手で押さえつける事も身体拘束とみなし、隔離と併せて2020年までに、身体拘束も隔離も「0」にする目標が掲げられているとの事です。

 

そして、このような支援やスキームなどを扱っているテポー精神保健研究所を、精神医療を研究している日本の医師が訪れた際に、次のような質問をしていました。

 

『 日本では、急性期のケースでは、最初に身体拘束をしてあげた方が早く退院出来る、と(現場の医師等)は言うのですが、、、 』

 

と。
これに対しテポー精神保健研究所の方々は、以下のように答えておりました。

 

『 その裏(「最初に身体拘束をしてあげた方が早く退院出来る」)にあるエビデンス(根拠や証拠)を疑います

  ニュージーランドでも以前は、身体拘束や隔離は良いものだとの強い信念がありました。
  しかし、その後は時間を掛けてエビデンスを示し、学会での講演や出版(物)などを通して、一生懸命に努力をしてきました。

  (そのような経緯の中で)嬉しいのは、この10年で、仮に身体拘束や隔離をされた場合に、それは「医療サービスの失敗」と言われるようになった事です。

  (なぜなら)それ(身体拘束や隔離)は「治療ではない」からです 』

 

と。
そして、この番組内でインタビューを受けていた医師・看護師・医療従事者・施設のスタッフなどにおける「共通の言葉」は次のようなものでした。

 

『 (患者さんが)人生をより良く生きるための術を共に考え、そして、見つける為の手助けをしている・・・

  そして、何より・・・

  (患者さんを)「人間」として扱うという事(尊厳を守る事など)が一番大切で重要である・・・ 』

 

と。
では、この番組からの紹介もここで終了ですが、皆さんの中に、「動機」に関する何かしらの「思いや考え」などが浮かんで来ましたでしょうか?(笑)
ちなみに、日本に焦点を合わせた精神医療に関しては、2018年3月17日のTOPICS「精神病棟の実態・・・? ~番組「長すぎた入院 精神医療・知られざる実態」から~」でも別の視点から取り上げておりますので、関心のある方は覗いてみて下さい!

 

では、最後に「動機」の捉え方につきまして、私なりの視点の内の一つをご紹介して参りますが、まず、動機においては多種多様な捉え方があり、ある一つの出来事においても、動機が一つのみ、というケースは(かなり)少なく、動機にも「多面性」が備わっておりますが、このように、