第193回:『 精神病棟の実態・・・? ~ 番組「長すぎた入院 精神医療・知られざる実態」から ~ 』
【 参照キーワード:精神病棟の実態、長すぎる入院、精神医療、隔離収容政策、東日本大震災、原発事故 】
S.Light.M(カウンセリング・ヒプノセラピー・レイキヒーリング)の瀬川です。
東日本大震災から先日で7年が経過しましたが、もう7年経ったのか・・・まだ7年しか経っていないのか・・・何が変わったのか・・・何も変わっていないのか・・・などの様々な思いや感情がある事と思います。
ところで、今回は「精神病棟の実態・・・? ~ 番組「長すぎた入院 精神医療・知られざる実態」から ~」というテーマをお届け致しますが、実は、この番組で紹介される事になった今回のテーマのきっかけの一つとして、東日本大震災の発生というのも大きく関わっております・・・(なお、この番組はNHK EテレのETV特集として、2018年2月3日に放映されたものです)
そこで、今回はこの番組内容を取り上げてご紹介致しますが、この番組で語られている事が全て真実という趣旨でもありませんし、また別の視点から観察すると違った見解が出てくる事も当然あるかと思います。
そして、このようなTV番組なども「一つの縁・出逢い」というのは、他と変わる事はありません。
もしかしたらご覧になった方もいらっしゃるかもしれませんし、ご覧になれなかった方は、宜しければ、様々な視点の内の一つとして、考える素材としてみて下さい。
そこでまず、何故、今回のテーマが東日本大震災の発生と関わりがあるのかと言うと、この番組でご紹介されている方々が精神病棟からの退院に結び付いたきっかけが、
福島での原発事故によって病院からの避難を余儀なくされたから・・・
です。
つまり、原発周辺の病院に入院していたこの方々は、原発事故の放射能汚染による地区・病棟閉鎖などの指示により、他の県や地域に避難をし、その避難先での病院のお世話になるのですが、やはり、福島に戻って来たいとの転院希望が相次ぎました。
そこで、福島県内のある病院が避難していた患者さんを一時的に受け入れ、入院の必要がなければ退院をさせる方針で取り組みを進め、定期的に医師が回診をし、診断の見直しを行い、症状が落ち着いている患者さんは地域に戻れる為のサポートを行っていました。
そして、このような取り組みが進んだ事によって、今回のテーマの精神医療の驚くべき実態が白日の下に晒(さら)される事になった・・・と、この番組は進んでいきます。
そこでまず、この病院に転院してきたのは5年間で52人であり、その半数がこれまで25年を超える入院生活を送っていました。
そして、このような状況を目の当たりにした、この受け入れ先の病院の医師が次のように述べておりました。
『 適切な治療をやっていっても、なかなか改善せず、さらに入院治療の努力が必要とされる人達は、40名中2名くらい・・・つまり、残りの38名は入院を必要としていない・・・つまり、9割の方は入院の必要がない・・・ 』
と。
そして、この転院してきた患者さんの4人に1人が知的障がいではあるが、精神疾患のない人もおり、『 そもそも、知的障がいの方は入院も治療もする必要もない人・・・一番よりよく生きられる場所を探すのが一番適切なこと・・・ 』とも、述べておりました。
ではここで、この番組内で紹介されていた、日本の現在の精神医療と、そこに繋がっている過去からの経緯を簡単に整理してお伝え致します。
まず、
現在の日本は精神科病院大国
と呼ばれています。
その理由としては、
〇 世界の病床の「約2割」が日本に集中している
〇 平均在院(入院)日数が、先進国では「28日」であるのと比較し、日本では「270日」となっている
〇 現在の日本では、「1年以上」入院している患者さんは、およそ「18万人」であり、「5年以上」入院している患者さんは、およそ「10万人」である
〇 そして、このような状況に対して、「人権侵害」として、日本は国連やWHO(世界保健機関)から何度も勧告を受けてきている
というのが、現在の日本の状況という事です。
では、何故、日本はこのような状況になっているのかを同番組内容から続けます。