最近注目?の「レジリエンス」について ~ユーティライゼーション&オリエンテーションも含め~ 

エリクソンの元に、「自分はイエス・キリストの生まれ変わりだ!」と称する患者さんがいました。
その患者さんは、キリストの生まれ変わりと思い込んでいるが故に、良かれと感じて他の患者さんに対して布教活動を行っていました。
しかし、その手法も強引なものであり、そもそものキリストの生まれ変わり?などの言動も相まって、周囲の人々は困惑していました。
すると、エリクソンはその患者さんについて、次のように考えました。

 

『 この患者さんに、「自分はキリストの生まれ変わりである!」と思わせておいたら、どんな良い事があるのだろう? 』

 

と(笑)
そして、その患者さんに次のように「質問」という「提案」をしました。

 

『 キリストという神の存在であれば、他に(布教活動以外に)どんな奉仕活動を進んで行うのでしょうか? 』

 

と。
すると、この患者さんは、進んで大工仕事などのボランティアを積極的に行うようになっていきました。
なぜなら、キリストは「大工」でもあったと聖書などでは言われているからです(笑)
皆さんはこの2つの実際の症例から、どのようなレジリエンスという「提案」を受け取りましたでしょうか?(笑)

 

では、レジリエンスとは、人それぞれに違っており、「自由」なものであるという点は、薄々?お分かりになってきた頃合いかもしれませんので、「え~っ! こんなのもレジリエンスになるの!?」というケースを2つ簡単にご紹介致します。

 

ある医師が、数年前に妻を亡くして以来、ひどい鬱状態に苦しんでいました。
そこで、次のような言葉が「提案」として使われました。

 

『 もし、あなた(医師)が先に亡くなり、奥さんが後に残されたとしたら、奥さんはどうなっていたでしょうか・・・あなたと同じく苦しんでいたかもしれない、、、)

  あなたは、(ある面からの見方としては)そんなに恐ろしい苦しみから奥さんを救ったのですよ・・・

  あなたのお陰で、奥さんは苦しみを味わわずに済んだのです・・・ 』

 

如何でしょうか?
人によっては激怒!?する方もいらっしゃるかもしれませんね(笑)
しかし、実際にこの医師は救われたのも事実です、、、

このような「提案」は、

 

新たな考えと新たな解釈を提示し・・・

それらを議論の余地のない何らかのやり方で・・・

遠い未来に関連付けるという・・・

「オリエンテーション(新たな方向付け)」!

 

というものです。
そして、このオリエンテーションのもう一つのケースが、トラウマを抱えている人に向けて贈った次の言葉です。

 

『 その位の症状で治まっているなんて、あなたの心と体は強いのですね!!! 』

 

と。
これがオリエンテーションの中で行われている、

 

「癒し」の大半は、当人の中にある「肯定的」な属性を強調し、それらを徐々に「増強」させていくプロセスである

 

という仕組みが活用されています。
これも、人によっては、「私のトラウマの苦しみをちっとも分かってくれていないじゃないの!」との反応が出る事も考えられますよね(笑)

 

では、ここ迄において、私が「提案」する一つのレジリエンスにおける捉え方です。