精神病棟の実態・・・? ~ 番組「長すぎた入院 精神医療・知られざる実態」から ~

『 この病気は治せないと医師に言われた・・・仕事が忙しかったから面倒も見てられない・・・お金は掛かってもしょうがないから、預かって貰えれば安心だ・・・その為に病院任せになってしまった・・・ 』

 

そして、現在の彼女はグループホームに時折通いながら治療をしていますが、そのグループホームに入る際のお話の中で、お父様は次のようにも述べておりました。

 

『 実家に帰って来るのはダメ・・・60歳になるっていうのに子どもじゃないのだから・・・重荷だよ・・・どれだけ自分(の体?心?)が保(も)つか分からないし、すぐに自分は参ると思う・・・どこの病院でも完治しなかったんだから・・・そういう事を自分は今までずっと経験してきたから面倒見られない・・・(グループホームで)面倒見て貰えるなら、見て貰うしかない・・・もし、(グループホームで)続ける事が出来ず、2~3年でダメで実家に帰すと言われても・・・迷惑だ・・・自分としては・・・人生やめて貰う・・・その覚悟だ・・・親としては・・・(その位の覚悟でなければやっていけないとのお父様の思い) 』

 

様々な思いや感想もあるかと思われますが、二人目の方を続けて参ります。
お二人目は仮称Bさん(男性・66歳)で、統合失調症と診断され39年の入院生活を送っていましたが、彼は原発から5㎞圏内の病院に入院していた事で避難させられましたが、避難先の病院で入院の必要なしと診断され、現在は退院して一人暮らしの生活を送っています。
そして、退院後の彼を見守ってきた医師の方が次のように述べておりました。

 

『 どうしてBさんが40年近くも精神病院に入院していなければならなかったのだろう?・・・この事実に私の方がむしろ衝撃を覚えた・・・彼もまた精神病院の犠牲者であったかと・・・あるいは、また、・・・日本という国の犠牲者の一人でもあるかな、と・・・ 』

 

そして、Bさんの入院当初に5年間主治医をしていた別の医師が次のようにお話しておりました。

 

『 当時の病院の状況は非常に良くない・・・200床の病院で)医師が一人しかいなくて平気だと続けていること自体が、その当時は通用していた・・・しかし、それは「常識的でない常識」である・・・入院している患者さんの人権は、ほとんど認められていなかった・・・ 』

 

そして、この医師の方は、そのような当時の状況であっても、医師を増やし、出来るだけ退院させる方針を打ち出しておりましたが、次のようにも述べておりました。

 

『 病棟(建物)は(病気を)治してはくれない・・・なので、病院の中で医師等が出来ることと、薬が出来ることは、ここ迄と区切りを付け・・・そこから先は家族と社会が治してくれるようにしなければならないし・・・そこで(家族と社会で)治して貰わなかったら、本当には快(よ)くならない・・・ 』

 

そして、自分が主治医を離れ、Bさんがその後も長年に渡って入院していた事実に対して、次のようにも述べておりました。

 

『 自分の考え方と違う考え方で治療されていたと思う・・・まだ危険があるからと考えると退院出来なくなる・・・それは主治医の考え方にもよるが、その考え方がいけないとも言い切れない・・・今でも、ほとんどの病院がそう(少しでも危険があると判断すれば長期入院の方針)だと思う・・・ 』

 

そして、ご本人であるBさんはご自身の人生を振り返り、次のようにお話しされていました。

 

『 (社会的に精神障がい者への差別が強かった当時)入院したことで家族などからも偏見の目を向けられるようになり・・・ある時、叔父の家に遊びに行っていて、明け方に足がつったので痛いと騒いだら、またおかしくなったのでは?と言われて入院させられた・・・(自分のことを)特別なものを見てるという感じがした・・・ 』

 

『 時間が戻るんだったら昔に戻りたい・・・やっぱり・・・ 』

 

『 (入院中の当時に退院したいと家族に主張したことに対して)退院したいって思うよ・・・やっぱり・・・このまま死んでいくのは嫌だなって思うよ・・・やっぱり・・・ 』

 

このように振り返る中で、Bさんが幾度も退院を主張していた事に対して、彼のお父様は次のようにおっしゃったそうです・・・

 

『 誰が見ても快(よ)くなったら・・・ 』

 

では、番組の概要のご紹介はここでお終いです。
ここまでお読み頂いて、皆さんの思いや感想は如何でしょうか?
様々な思いや感想がある事と思われます・・・