安楽死から考える肉体的苦痛と精神的苦痛 ~真のコミュニケーションという視点も~

① 耐え難い苦痛

② 回復の見込みがない

③ 治療の代替手段がない

④ 明確な意思表示

 

そして、私が今回のテーマで一番着目したのが、

 

要件①の「耐え難い苦痛」は《 肉体的苦痛 》に限られず・・・

《 精神的苦痛 》も含まれている・・・

 

という点です、、、

では、ここからは、この番組に出演されておりました、4人の方のケースを見ていきます!

 

 

【 ジュリアン・クレイさん(男性:40歳) 】

クレイさんは9年前に交通事故で脊髄を損傷し、首から下を自由に動かす事が出来なくなるなどの重い障がいが残り、痛みを緩和する為の手術も受けましたが効果が無かったどころか、それ以降は更なる痛みに襲われていました。

 

クレイさん:
『 刺すような燃えるような、電気ショックを受けるような痛みです。 眠れずに一晩中泣くこともあり、気が狂いそうです。 (中略) 医者は痛みを取ると約束したのに出来ませんでした。 生きることを諦めました。 もう生きていく気力はありません。 』

 

独身のクレイさんは同居するご両親に何度も殺して欲しいとお願いをして来ましたが、到底実行出来るものでも無く、またフランスでも安楽死は認められていない為、クレイさんは外国人の安楽死を認めているライフサークルに依頼をし、受け入れて貰える事になりました。

そして、クレイさんを息子のように思い慕っているリハビリ仲間であるシャンタルさん(女性)が付き添う事となりますが、長い間クレイさんの辛い状態を目の当たりにして来て、シャンタルさんは安楽死に賛成します。

 

シャンタルさん:
『 彼(クレイさん)はまるでモルモットです。 医者の研究対象にされる事には反対です。 』

 

クレイさんはシャンタルさん、更に他のリハビリ仲間達と共にスイスに向かい、安楽死までの数日間、皆で共に過ごすと同時に、そこにはクレイさんの妹のブランディーヌさんも加わります。

そして、安楽死を認めるかどうかの最終判断をするエリカ医師の診察を受け、許可される事となりましたが、

 

エリカ医師:
『 本当は安楽死よりも治してあげたいんだけど、治療の方法がありません。 』

クレイさん:
『 私を死なせてくれることが治療なのです。 』

エリカ医師:
『 ありがとう。 』

 

妹さん含め、仲間達一人一人にお別れの挨拶をし、クレイさんは旅立ちました、、、

 

【 迎田 良子さん(女性:64歳) 】

2人目の迎田さんはパーキンソン病を患っており、この病気は徐々に体が動かなくなるなどの難病ですが、パーキンソン病そのものが死に至る病ではありません。

迎田さんには既にご両親もおらず、以前にはフランス人の婚約者がいましたが、迎田さんの病が判明した事で破断となってしまい、この先に一人での生活をするのが難しくなって来たと感じて安楽死を決断し、7年以上掛けて海外の団体を探しつつ、今回のライフサークルに受け入れて貰える事となりました。

 

迎田さん:
『 安楽死に関して討論して欲しいと思うし、日本でもいつかは安楽死が合法化されている事を願っています。 (中略) (「もし仮に安楽死が認められていなかったら?」との問いに対し)多分、辛くて体の痛みが続きますから、だんだん動けなくなってくるので、首を吊って死んだかもしれない。 (中略) 不快さ、体の痛みを代わってくれる訳ではないので、進行性の難病なので、私はもう安楽死を選びますね。 』

 

そしてスイスに渡って安楽死の準備をしつつ、お世話になった方々へのお手紙などの発送も終えた際のインタビューでは次のようにお話しされていました。