PFAS(ピーファス)問題から考える二者択一の「二者」の真の意味

【 日本国内の環境の実状 】

2020年度に環境省が河川や地下水等を対象にPFOSとPFOAに関して、双方を合算して「1リットル当たり50ナノグラム以下」という《 暫定目標値 》を設定した全国調査(全47都道府県)が実施されました。

すると、その暫定目標値を超過したのが12都府県の21地点となり、番組で改めて全47都道府県と18の政令指定都市を含む計65の自治体へアンケート調査を行った所、22都府県の47地点で暫定目標値を超過しているとの回答が寄せられました。

 

ちなみに、番組のアンケート調査の回答の中で一番高い値を検出したのが(自治体名は差し控えます)「62、000ナノグラム」であり、暫定目標値の「50ナノグラム」を遙かに超える値でした、、、

なお、この一番高い値を検出した水源は特殊な状況下であったと今の所は言われており、今後に更なる調査が行われる事と、ここで行われた調査は水道水が対象ではないのと、水道水に関しては2020年度から厚生労働省が調査を行っているそうなので、その点は《 今の段階では 》誤解の無きようお願い申し上げます!

 

 

【 日本の調査の実態 】

調査に関して現在では地方自治体に《 一任(任せ切りに) 》されていて、《 国(政府)として 》集計が行われていません。

アメリカの医学系の団体は血中濃度が「血液1ミリリットル当たり20ナノグラム」を超えると健康被害の怖れがあると発表していますが、《 現時点での 》国(政府)は血中濃度の基準値は設けないとの決定をしています。

また、2010年から10万組の妊婦に対する血中濃度の追跡調査も行っていますが、国(政府)は《 未だに 》その結果を公表していません

 

そして、以前から水道水の中の値が高いとされている東京都多摩地区の住民からの《 要望 》により、研究者がその要望に《 応(こた)え 》血中濃度の検査を独自に行った所、場所によっては9割以上の住民が「20ナノグラム」を超える血中濃度である事も判明しました。

ちなみに、《 既に 》南極の雨水からもPFASが検出されているとの研究もあるそうです、、、

 

【 アメリカの取り組み 】

アメリカ国内では45%の水道水にPFASが混入していると捉えられています。

故に、それ迄は「1リットル当たり70ナノグラム」という基準値を、昨年から「1リットル当たり4ナノグラム」へ法規制するという動きがありました。

ちなみに、繰り返しですが現在の日本の暫定目標値は「1リットル当たり50ナノグラム」です、、、

 

【 立ち上がった一人の女性 】

ミネソタ州は昨年に世界で最も厳しい基準値を設けましたが、行政を動かす《 原動力 》となったのが、昨年の1月にミネソタ州議会でPFAS規制を訴えた一人の女性(当時20歳)でした。

彼女はアマラ・ストランディさんで15歳の時にステージ4のガンと診断され、500万に1人と言われている非常に稀なガンであり、20回以上の手術を受け懸命な治療を続けていました。

そのアマラさんは、

 

アマラさん:
『 私に何の落ち度もないのに有毒な化学物質に晒されてしまいました。 そして私はこのガンで死ぬことになります。 』

 

と議会で訴え掛けました。

そして、この訴えから3ヶ月後に残念ながら他界されました(享年20歳)、、、

 

 

15歳の時にガンを発症したアマラさんは「自分の病気には何か原因があるだろう」と考えていましたが、特定出来る要因というのは見つけられないままでした。

ただ、疑いを持っていたアマラさんは妹のノラさんとガン発症の翌年に次の会話をした(アマラさんが妹さんに話した)そうです。

 

ノラさん:
『 (アマラさんが)3M(スリーエム)は私達から1マイルしか離れていないのよ。 学校の水は安全じゃないから飲んじゃダメ、死んじゃうよ。 』

 

という内容だったそうです。

ちなみに、これと似たような話(水道水を飲まないように)は沖縄県の米軍基地周辺の住人の間でも、《 かなり以前 》からされていますが、これに関しては後述します、、、