華岡青洲に学ぶ丁寧という姿勢 ~活物窮理を人間関係に当てはめる~

と、ここも寄り道ですが、私が東京で行政書士をしていた時の事ですが、親子で行政書士をしている事務所があり、当時はそこそこ名の知られている事務所でした。
ところが、息子の方の行政書士が許可申請の依頼を受けたにも関わらず、役所に申請書を提出しないどころか、自分で勝手に許可証を偽造していた事が発覚し、当然ながら逮捕される事件となってしまいました。

また、全くの別件ですが、私が担当していた顧客の会社から電話があり、取引先がどうも怪しいので、その会社が本当に許可を有しているか調べて欲しいとの依頼がありました。
そこで、顧客の元に届いた許可証のコピーをFAXして貰い、私は役所に出向いたりなどして調べた結果、その許可証(のコピー)は偽物である事が判明しました。
役所もすぐに動き、処分をされた模様でしたが《 自分のした事は自分に反ってくる 》や《 反面教師 》という視点も然る事ながら、

 

嘘はダメである事をちゃんと理解出来ない限りは・・・

《 嘘も方便 》を理解する事も活用する事も出来ない・・・

それどころか嘘も方便が《 言い訳(逃げ口上) 》になってしまう・・・

 

というのは気を付けなきゃいけない点でもあります!

では、話を戻しますが、華岡は更に『 全身麻酔薬を使う際には、その前に丁寧な診察を施し、患者さんの容態をちゃんと理解し把握した上でないと使ってはならない 』と教えていましたが、先程の世界初となった乳がんの女性の手術に際しても、華岡は術前の丁寧な診察により、実はこの女性は脚気と気管支炎を患っている事を見抜き、万全を期す為に手術前に40日程掛けて脚気と気管支炎の治療を行うという《 自らでの実践 》をちゃんとしていました。

そして、門下生に渡す今で言う所の卒業証書のようなものには『 病気を治療しようとするならば、医学の内科や外科に精通しなくてはならない。 医学の方法には昔も今も区別は無く、ただ、その知識のギリギリまで尽くす事にあるのみである。 医は仁でなければならない。 』などの心構えをメッセージとして添えて送り出していました。

 

そして晩年には紀州藩の藩主の主治医(奥医師)になる事を要請されますが、これはいわゆる「地位も名誉もお金も手にする」事を意味している中、華岡は何度も断り続けて来ましたが、最後には藩の専属の主治医になるのではなく、今まで通り村医としても働く事が出来る事を条件として承諾しました。

では、寄り道ですが、《 目先の利益のみに囚われない 》というのも時に大切で必要な事ですが、

 

これを人間関係に当てはめると・・・

時に《 損して得取れ 》!

 

という現象に結び付く事が往々にしてあります!
人間関係では腹が立つ事も多々あるでしょうが、そのような際には意識してみて下さい(笑)

そして、華岡が「座右の銘」としていたとされているのが次の言葉です、、、