必要悪は存在するのか!? ~私掠免許を介したカリブの海賊と国家の共依存~

海賊共和国

 

として誕生し、以後、様々な商売人なども集まり中南米有数の町として繁栄していきました。

そして、この島では共同体の秩序を守り、皆が安心して暮らせる為のルールが作られていきます!
それが、

 

① 各人は重大事項の決定に際し1票の権利を有する(今で言う所の民主主義における選挙制度

② 船長は戦利品の2人分、その他は1人分の分け前を取得(今で言う所の透明性のある給与体系

③ 敵と交戦中に四肢のいずれかを失った者には150ポンドを支払い、船に残る事も自由(今で言う所の労災補償

 

そして、1718年には海賊共和国の海賊仲間は5000人に増え、400隻の船が海を荒らし回る、

 

海賊黄金時代の最盛期を迎えた

 

と言われているそうです(笑)

が、しかし、全輸送船のおよそ半分である2400隻もの船が海賊に襲われる甚大な被害を被っていた為、イギリスやスペインなどの国家はこのような状況を《 指をくわえて黙ったまま 》ではいませんでした

その一環として周辺各国の国家は軍艦を急造し、海賊討伐、そして海賊共和国壊滅の為にカリブ海へ兵士を派遣していきます、、、

 

そして、特にイギリスは最強の切り札として、世界一周の偉業を果たしイギリスの英雄と称されるウッズ・ロジャーズ(1679-1732)という人物を海賊討伐に投入します。
実は、彼は元私掠船員であり、それが故に海賊達の強さも弱点をも知り尽くしていました。

1718年7月24日、彼は7隻の軍艦で海賊共和国に乗り込みますが、彼が海賊達に示した(提案した)のは、

 

まさかの!?恩赦令(という温情策)

 

でした!
これは、投降すれば今迄の全ての罪を赦し、しかも略奪したお金などもそのまま持っていて良いとのものでした。
勿論、従わない(投降しない)場合には、、、これも、もうお分かりでしょう(笑)

ただ、ここでは海賊達に《 選択と決断をさせた 》というのが、当時でも意外!?な事かもしれません!?

 

そして、海賊達は話し合いを設けますが、恩赦に賛成したのが先程の国家の理不尽さに反逆して来たホーニゴールドであり、一方で拒否を示したのが弟子である黒ひげでした。

すると翌日の夜、拒否派によってイギリスの艦隊が爆破されますが、これもロジャーズの狙いの内でした。
と言うのは、これによりロジャーズは賛成派のホーニゴールドに拒否派の討伐を命じる《 口実 》を作り上げる事に成功したからです。

 

更に、ロジャーズは拒否派の海賊を討伐した者に高額の報奨金を支払う事にし、ホーニゴールドはその後も海賊ハンターとして《 元の仲間達 》を捕らえ続けていきました。
ここに、ロジャーズにおける《 自らの(自分達)の手を汚さずに火の粉も浴びない 》見事な!?《 分断策 》が仕組まれていた事になります。

ちなみに、拒否した黒ひげ達はカリブ海を離れ北アメリカの海域で海賊行為を続けていましたが、海賊共和国を離れた4ヶ月後にイギリスの軍艦を攻撃し絶命してしまいました。

 

こうして海賊共和国も僅か3年で崩壊してしまいますが、一方のホーニゴールドはその後もイギリス政府に《 従い 》海賊狩りを続けていた中、スペイン海軍により逮捕そして処刑されてしまいました。

そして、その後は国力を増したイギリスがカリブ海を《 武力により制圧 》しました、、、