冬至という初夢に贈る物語(メタファー) ~パート7~:西洋故事からの温故知新

《 パニュルジュの羊 》

『 フランソワ・ラブレー(1494-1553)の〖 パンタグリュエル 〗(1535)の第四巻にある逸話。

  パニュルジュはラブレーが発明した異様な人物
  皮肉で、狡猾で、邪悪で、嘘つきで、呑兵衛で、死以外は何事もおそれず、しかも聡明で、機知にとみ、人間悪を躍如として具現する人物と見られる。

  船中で多数の羊を甲板へ積みこんだ商人ダンドゥノーが、パニュルジュの貧相な様子を侮辱した言葉をはいたのを聞いて、これに復讐するために、甘言をもうけ、途方もない値段で、羊のなかの頭領株とみた一頭の大きな羊を買う。
  そして、物もいわずに、鳴き叫ぶその羊を海のなかへ放りこんだ。

 

  ところが、羊には、頭領にしたがって盲目的な行動をする習性があるので(それを百も承知のことだった)、他のすべての羊は同音に鳴きわめきながら、ぞろぞろと海へとびこんで、一頭残らずおぼれてしまった。

  ダンドゥーノも、最後の羊の尻尾にしがみついて、いっしょに海中へ没した。

  パニュルジュの復讐はこうして達成された。

 

  プルタルコスの〖 英雄伝 〗に老カトーの言として、「ローマ人は羊に似ている。 羊は一頭では羊飼いにしたがわないが、群をなすと、互いの愛情から、頭(かしら)だつもののあとに唯々としてついてゆく。 かくして、諸君も群をなして引きずられて行くのだ」とあるのを併記しよう。 』

 

この話からは魂の視点も活用してみます!
『 皮肉で、狡猾で、邪悪で、嘘つきで、呑兵衛で、死以外は何事もおそれず 』とありましたが、「秘密は墓場まで持っていく」との言葉の続きとして「墓場に持って行った後には全てが明らかになる」と「繋がって」「重なって」いきます。

そして、この視点からはパニュルジュは死んだ後の自分の状況の方が、死よりも何よりも恐れる事となる、、、かもしれません、、、
なぜなら、

 

《 自分のした事は自分に反ってくる 》とは・・・

死後に(あの世で)反ってくる事も当然ながらある・・・

 

からです。
また、ダンドゥノーにおいては「口は災いの元」との言葉もありますが、この世における災い(禍い)のほとんどは《 人間 》が引き起こしているものでもあります、、、

そして、実は3つ目のこの話を選んだのには私なりの理由がありました!!!

それは次回(おそらく、その次の回も)のTOPICSでは、私が2023年に向けて最も気に掛かっている(気になっている、危惧している)《 群衆心理 》を取り上げようとの《 布石 》ともなっているからでした!!!

 

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