多様な生命から人間という自分を知る ~私の蝶育て奮闘記!?も(笑)~

では、最後は腸内細菌を野生(の状態)に近づける事で絶滅危惧種を守ろうという研究も行われております。
それは標高2,500m付近で高山植物を主食にして暮らしているニホンライチョウという鳥です。
これ迄は保護したり繁殖させるなどの取り組みを行って来たそうですが、飼育されるヒナが衰弱して亡くなってしまうケースも多かったとの事です。

そして、この保護プロジェクトに参加しているのが牛田 氏ですが、ライチョウのフンに解決の糸口を見つけたそうです!

牛田 氏:
『 (ライチョウのフンに)くちばしでつついた跡、とんがった、これ食べた跡の食痕になりますね。
  ヒナはこれ(親鳥のフン)を争って食べる、それによって腸内細菌は母親から子どもに伝達される。 』

 

ちなみに、かなり以前に何かの番組で観た話ですが、人間の赤ちゃんも母親の子宮を出てくる時に、その子宮口にはビフィズス菌などが集まって来て、赤ちゃんはそれを全身に塗られて最初の腸内細菌を獲得するとのものがありました(笑)
そして、帝王切開では取り上げた人の腸内細菌(肌に存在している常在菌など)を獲得するなども解っているそうです!
勿論、これにより赤ちゃんにとって不都合な事は無いそうです(笑)

 

話が逸れましたが、これ迄のライチョウの保護では、生まれてすぐに親子は別々にされていたが為に、飼育されるヒナの腸内細菌が野生と異なる状態となっていました。
勿論、野生のフンには寄生虫等のリスクも存在しています。

それで牛田 氏は野生のライチョウの腸内細菌をフンから分離してヒナにエサとして与える取り組みを行って効果が上がっているそうです。
これは《 プロバイオティクス(健康の維持などに有益な微生物や細菌) 》と呼ばれるそうです。
そして、腸内細菌と私達人間も含めた動物との関わりが、これだけ深い理由を問われて、

牛田 氏:
『 腸内細菌と動物の関係というのは、起源を辿っていくと、とってもとっても昔の話になるんですね。
  生物が進化して消化器(官)を創った、それは消化吸収が便利だからなんですけれども、実はその中に細菌は当然入り込んで来る訳ですね。

  更にそこから進んでですね、動物と特別な関係を結ぶ、持ちつ持たれつの関係になるものが出てくる訳ですよね。
  そういうものが(生き)残って来ている。
  (腸内細菌が)やっている事はですね、例えば肝臓だったり腎臓だったり、そういう臓器の働きに匹敵するような規模の化学工場なんですよね。

  我々の体っていうのは自分達の体だけじゃなくて、腸内細菌も含めた一つの有機体、superorganism(s):超有機体というような表現を使うようになって来たんですよね。 』

 

では、番組からのご紹介はここで終了です!
難しい事はともかく、ここ迄におきましては、私達人間も他の多くの生命(動物達)も、少なくとも腸内細菌という一つの「共通項」がある!という事だけ頭に入れて置いて頂ければ大丈夫です(笑)

 

では、後半の私の蝶育て奮闘記!?に入って参りますが、これにも「経緯」という前段があり、それは昨年の2021年9月4日の第372回目のTOPICS『 アリ(蟻)とチョウ(蝶)との「比較」から人間を考えてみる(笑) 』と関係しておりますが、まずは、この回のほんのチョットした概要を先にお話してみます!